第9回 五十肩から生まれた 健口エクササイズ!? 後編

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歯科衛生士コラム 第9回 「五十肩から生まれた 健口エクササイズ!?」 後編 久保一代 歯科衛生士

半年以上も五十肩の痛みとつきあい、その不自由さにほとほとモチベーションもパフォーマンスも下がってしまった自分に、嫌気がさしていた。 中でも決定的だったのは、今年のネコの会(公衆歯科衛生研究会)用に作った「ルンルン・アンチエイジング・エクササイズ」のDVDだ。

  これはバレエエクササイズを応用した私のオリジナル、という自信作だった。しかしそれを収録した自分のDVDを見てショック!痛みをこらえているため、中途半端でバランスの悪い動きに加え、体力・筋力の低下がもろに確認できた。これではいけない。ちゃんと体を治そう!そして、もっときちんとした体になりたいと本気で思った。(結局自分で納得できなくてこのDVDはお蔵入り)

 幸いに五十肩の痛みは、整体に通って一ヶ月で9割がた治った。しかし整骨院の院長いわく「もっと体を動かしてください」とのこと。そうだ!その通り!   年々、体力も筋力も低下の一途をたどるのに動かないでいると「廃用(動かさないと動かなくなる)」を作る、と高齢者に話してきたのに、自分が「廃用」の見本になってはいけない。五十肩は可動域がせまくなる病気だが、意識しないと可動域すら十分に使わなくなってしまうのだ。 高血圧や未破裂脳動脈瘤が発覚するまで、フィットネスジムのバレエ教室に通っていた私。さすがにこの軟弱化した体で、いきなりバレエはやりたくない。しかし別のことで体を動かせばよいではないか!  思い切って、近所のフィットネスジムに4月から通い始め、生まれて始めてエアロビクスやバレエ以外の、ダンスのクラスに入ってみた。元々、音に合わせて踊るのが好きなのか、結構はまってしまう。まだ多少痛みのある肩も、十分動かすことになる。   とにかく45分間、水分補給のとき以外は否応なしに可動域はフル回転。自然と、五十肩の治療&体力増強&ストレス解消になっているようだ。   インストラクターについてエアロビクスを習いながら、あることに気が付いた。簡単なエアロビなら高齢者にも応用できるし、上体をよく動かし、腕をよく使うということは、嚥下に関する周辺筋肉を刺激する。つまり「嚥下体操」になるのだ。   昔の流行歌や唱歌を使った、いかにも高齢者向けの「嚥下体操」に飽き飽きしていたので、エアロビを応用してぱ〜〜っと新鮮なノリのいい曲を使い、新しい健口体操を作ってみよう!!

そして約3週間後、3名のインストラクターのやり方を見よう見まねで…いわゆるパクリをして、ついに自分流「エアロビ・健口エクササイズ」を作ってしまった。曲はスマップの「世界で一つだけの花」。エアロビの動きは、高齢者にもわかりやすく、 ●手を横に動かす動き→「戸を開ける4回」 ●大きく円を描く動き→「窓拭き4回」 ●しっかり後ろまで腕を回す動き→「背泳4回」 などと表現。さらに、「“戸を開け・窓拭き・背泳”を、中井君とキムタクの歌でやるのよ〜!」「草薙君の歌のところで、腕を伸ばして体側のストレッチ!!」というように指示をしたり、途中に曲の歌詞に合わせて「サインダンス」を入れて盛り上げることも思いついて、皆さんがパフォーマンスを楽しめるようにした。  また、フィットネスジムでは色々なプログラムが用意されていて、ジャンルも豊富である。「リトミクス」は色々なリズム(ラテン・ディスコ・アラビアン・ヒップホップ・ファンクなど)を45分間で1曲ごとに踊るプログラム。これには、私の大好きなマドンナの曲に合わせた、セクシーなダンスも含まれている。他にも、格闘技系プログラムや調整可能なバーベルを使って全身の筋肉を鍛えるものなど、いろいろとわくわくするプログラムを体験しながら、「健口エアロビ」の振り付けの中に入れるため、それぞれの美味しい部分を頂いた。   さてその効用だが、腹筋・背筋・インナーマッスル(大腰筋)を鍛えると「天然の腰のコルセット」になる。体を支える・軸になる筋肉を鍛えながら「食べる」・「飲み込む」行為や、肺から呼気をしっかり出して咳を作り、「誤嚥」を予防すること…これが口腔機能向上につながるといえる。   しかし、いちいちこんな改まった説明なんか参加者にはしない。体を楽しく動かすことが機能向上につながればよいではないか!   五十肩をきっかけに、図々しく介護予防教室や講演で、多くの人々にこのエアロビクスを応用したエクササイズを発信しているが、今では、より楽しく「健口」を伝える重要なツールのひとつとなっている。   さて、動画がお見せできないので、歌詞に合わせた動きと写真でのご紹介を。

健口エアロビクス

※基本的には、ステップタッチという横に足を出してはそろえる動きをやりながら、手や上体を動かします。そこに、手の動きを加えていきます。 ♪世界に一つだけの花

1.花屋の店先に並んだ (戸を開ける…手のひら外にして 横に引っ張る)

2.いろんな花を見ていた  (窓ふき…手のひら 外にして大きく円を描く)

3.ひとそれぞれ好みはあるけど (背泳ぎ)

4.どれもみんなきれいだね(腰ひねらせて セクシーポーズ: 手で後頭部をなでるように)

(1〜4繰り返す) この中で誰が一番だなんて 争う事もしないで バケツの中誇らしげに しゃんと胸を張っている

それなのに僕ら人間は(腕と体側のストレッチ) どうしてこうも比べたがる? 一人一人違うのにその中で  一番になりたがる?

「 世界を表す 手話」

そうさ 僕らも(サインダンス)

「花を表す 手話 」

世界に一つだけの花

「 ひとりひとり…」

一人一人違う種を持つ その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい

(1〜4繰り返す) 困ったように笑いながら ずっと迷ってる人がいる 頑張って咲いた花はどれも きれいだから仕方ないね (1〜4繰り返す) やっと店から出てきた その人が抱えていた 色とりどりの花束と うれしそうな横顔

名前も知らなかったけれどあの日僕に笑顔をくれた (ランジ・・・前後に脚を開き まっすぐに腰を落とす) 誰も気づかないような場所で 咲いてた花のように

そうさ 僕らも(サインダンス) 世界に一つだけの花 一人一人違う種を持つ  その花を咲かせることだけに 一生懸命になればいい 小さい花や大きな花 一つとして同じものはないから NO.1 にならなくてもいい もともと特別な Only one

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