第10回 ラジカルスペースにデジタル化がやってきた!

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歯科技工士コラム 第10回 ラジカルスペースにデジタル化がやってきた! 川端 利明 歯科技工士

 このコラムでも書かせていただきましたが、2007年は自然を取り入れた形でラボの環境整備に取り組んできました。草花も順調に育ち、快適な作業環境を作り出してくれています。

(図1)

その反動と言うわけでは無いのですが、2008年はデジタルの方に感心が向いているようです。もともと、そちらの方面は嫌いではないので、いったんそっちのほうに心が動いてしまうと、やはり、行けるところまで行ってしまいたくなってしまうのは私の性分のようです。(図1)

(図2)

その第一弾として、オリンパス社製「クリスタルアイ」ペントロンジャパン発売を今年1月に導入しました。(図2) 「クリスタルアイ」は歯科用の測色カメラで、専用のパソコンソフトを使い、細部に至る分析測色が可能な優れたシステムです。発売当初より大変興味を持っていましたが、なにぶん高価な装置であるため導入に踏み切れずにおりました。

(図3)

今回、導入に踏み切った最大の目的は、歯牙の色調のレクチャーを行う際、実際にクリスタルアイを使用することで、明度、彩度、色相という色の原則を容易に、しかも興味深く、理解していただけるのではと考えたからです。実際に、天然歯牙を測色し、分析した結果からポーセレンの築盛レシピを考察し、そのレシピより製作された補綴物を測色評価することで、天然歯牙との色調のずれを客観的に数値で知ることが出来るため、シェードマッチングと言う難しい作業のトレーニングを行うには大変有効です。もちろん、この作業の応用として臨床のシェードテイキングの際にも大活躍しています。 第二弾は6月の後半、つい先日導入した「プロセラフォルテ」ノーベルバイオケア社です。(図3)

 「プロセラ」は天然歯とインプラントのためCAD/CAMによる審美補綴システムで、オールセラミックス・レストレーションとアバットメントを製作する歯科用ITシステムです。

(図4)

プロセラフォルテはラボでスキャニングを行うための装置で、人工ルビー球のついたブローブを約20gの圧で接触させながら5万ポイントのデータを計測し(図4)、これをもとにパソコン上で3D画像を操作し、マージンの設定、コーピングデザインなどを行うためのスキャナーとパソコンソフトのシステムです。

(図5)

専用のソフトを快適に操作するためハイスペックのパソコンと、解像度の高い液晶モニターが必要で、パソコンはインターネットからDELLコンピュターのタワー型のハイスペックモデルを目的に合わせてチョイスし、液晶は以前から欲しいと思っていた、シャープの大型液晶テレビ「アクオス32型、フルスペックモデル」を準備しました。(図5)

(図6)

ハイスペックパソコンと大型液晶モニターのおかげか、パソコン作業はとても快適で、マージン設定も最初は少しぎこちなかったのですが、数回繰り返すうちに徐々に慣れてきて、初めてのジルコニアコーピング製作としては、マージンのフィットもまずまずという出来でした。(図6)

 今年ももう半分が過ぎてしまいましたが,この技工の未来を感じさせる2つのシステムを手に入れた事で、技工のスタイルが少し変わって行きそうな気がします。2008年は、なんだかワクワクした気分で仕事に取り組んでいけそうです!

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