第22回 コラムを再び開始します。
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長い間ご無沙汰しておりました。第21回のコラムを執筆してから,約2年も経過してしまいました。何事も一度,止まってしまうとなかなか戻るきっかけが見つからずに,始められないものですね。幼いころ,習い事を途中で行かなくなると,そのままやめてしまっていました。習字,そろばん,,,大人になって大学院に入り,国際学会の発表の前に,英会話教室に通ったのですが,学会が終わると,行かなくなりました。皆さんも同じような経験はおありになりますでしょうか?復活できない理由を勝手に自分で都合よく考えてしまいます。 この2年の間に,大きなことが起きました。昨年のアイスランドの噴火,そして,3.11東北の大震災,最近では,台風の被害。関東に住んでいる先生方で,幼いお子さんをお持ちの方は,いろいろなことを考えていらっしゃるのではないでしょうか。私もこの2年の間に家族が増えまして,二人のまだ幼い娘がいます。放射能の汚染については,風評被害は良くないですが,事実が知りたいと思っています。基準値を超えていないからと言って,本当に安全なのでしょうか。私達は自分で判断して,考えていかざるを得ません。 そして,新聞やテレビの報道において時々気になることがあります。私が分かる範囲ではありますが,過剰な報道が見られることがあります。このコラムでは,私の視点から最新の情報の,その事実をお伝えできればと思っています。これは,私がコラムを再開したいと思ったきっかけの一つになっています。
私は歯学部の解剖学教室という基礎の講座に属し,教育と研究が主な仕事です。したがって,このコラムでは私の研究が中心となっていましたが,これからは,ホットな話題も取り上げて,再生医療の現状をお伝えできればと思っています。2年間のブランクがありますので,少し昔の話題も出てくることもありますがご容赦ください。
写真1.
学会会場からの風景
写真2.
建築中のワールドトレードセンター
2011年4月末現在
将来,間葉系幹細胞は,これらの自己免疫疾患や感染・炎症などの治療に用いられることになるかもしれません。これは歯科にとってとても大きなことだと思っています。なぜなら,歯に由来する間葉系幹細胞も見つかっているからです。永久歯の歯髄,乳歯の歯髄,歯根膜や歯小嚢組織にも間葉系幹細胞が存在していることが明らかになっています。我々の研究室でもこれらの歯に由来する組織から分離した間葉系幹細胞の特性を解析しています。歯に由来する間葉系幹細胞は骨髄から発見された間葉系幹細胞と似たような特性を持っています。つまり,我々が専門に扱う組織・器官である歯が,間葉系幹細胞の貯蔵庫になろうとしています。従来,歯は咀嚼や審美にとって重要でしたが,将来は病気の治療に使えることになるかもしれないのです。
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