第17回 歯の再生 下顎骨内に歯胚才簿を移植すると?
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イヌ下顎骨を用いた歯胚細胞移植の実験方法 (文献1より抜粋)
イヌ下顎骨からの歯胚採取は全身麻酔下にて無菌的に行った。詳しくは、生後約60日の幼犬下顎骨の第一後臼歯歯胚相当部歯肉にキシロカインの浸潤麻酔を行い、歯槽頂と最後乳臼歯遠心部頬側に切開を加えて、骨膜から歯肉を剥離、骨体部を露出させた。骨体部から歯胚を取り出すために、歯科用低速回転ドリルにて歯槽頂部および頬側骨体部の埋伏している第一後臼歯歯胚相当部の遠心と近心側を削合し、頬側骨を展開した。骨を展開後、第1後臼歯歯胚を壊さないように取り出した(図2)。取り出した後に、抜歯部位に歯胚組織が残存していないことを慎重に確認した。残存組織から再度、歯の組織ができたという報告があるからである。歯胚を取り出したときに外した骨は元の位置に戻して剥離した粘膜を縫合し歯胚の採取手術を終了した。
細胞の採取はブタの歯胚やマウスの歯胚から取り出したときと同じ方法を用いている。簡単に説明すると、取り出した歯胚組織を細かく刻み、コラゲナーゼ処理にて組織を分解したのちに、余剰な細胞外マトリックスを除くことで細胞のみを採取した。 細胞の足場に選んだPGAメッシュはボストンにあるアルバニー社から購入した。担体の大きさは直径約7mmとし、使用前に70%アルコールにて消毒後、細胞が接着しやすいようにコラーゲン溶液を塗布した。
担体への細胞の播種は単離した細胞を1×106cell/mlの細胞懸濁液に調整後、PGAメッシュに播種した。その後、PGAと細胞の複合体を50mlチューブに入れた培養液中に浸し、翌日までチューブごと左右に振ることで機械的刺激を細胞に与えた。
図3 画像クリックで拡大表示
細胞を担体に播種した後に、臼歯歯胚抜歯窩に移植
参考文献
(1) Honda MJ, Ohara T, Sumita Y, Ogaeri T, Kagami H, Ueda M. Preliminary study of tissue-engineered odontogenesis in the canine jaw. J Oral Maxillofac Surg 2006;64(2):283-289.
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