第4回 工事着工してからの業者さんとの付き合い方~工事後半編~

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 前回は工事が始まって10日目ぐらいまでの工事業者さんと施主(ドクター)さんとの接し方と、工事のチェックポイントを書かせていただきました。今回は、床組(上げ)が終わり間仕切りの軸(柱)が立ち、間取りがおおよそ把握出来てきた時期以降についてお話をさせていただきます。

 まずこの時期に現場へ行くと、間仕切られた各部屋がすごく狭く感じることが多いと思います。仮設照明で現場が暗く壁も仕上がっていない状況では光も反射せず、建築資材がいたるところに置いてありいっそう狭く感じさせます。   もしこの時に、スペースに不安を感じたらその場で現場監督さんに相談し、寸法に問題ないか確認してもらいましょう。実質的に部屋のレイアウトの変更はこの時点が最終だと思って下さい。

 これ以降の変更は逆に壊す部分が多くなり構造的にも弱くなってしまったり、工期に遅れが生じてしまいマイナスの要素が増えてきます。

 間仕切りの壁が出来上がってきた頃、まだ天井・壁・床の仕上材(塗装・クロス・床材)が決まっていなかったら、これに関しても最終決断の時期です。業者さんの事務所や外での打ち合わせではなく、実際のサンプル(出来るだけ大きいもの)を現場に持って来てもらい、そのサンプルを床に置いたり壁に貼ったりしてイメージして下さい。その際は出来るだけ実際に使用する照明に近い明るさで行ないましょう。

 ただし、前もって業者さんに自分のイメージする模様とか色など、ある程度指定しておくと良いでしょう。カタログで何百種類の中から選ぶより迷わずに決定出来ますし失敗も少ないと思います。

 ここまで来たらあとは完成まで見守っていきましょう。20日目ぐらいから仕上工事に入ると現場は日々色が付いていき大きな変化が感じられます。この辺でやっと仕切られた各部屋の雰囲気が実感できて来ると思います。

ちょっとここでチェックしてください。 ・ 待合室のイス、ソファーの手配 ・ TV、冷蔵庫、洗濯機など家電製品の選択 ・ ロッカー、机などスタッフ用の什器の選択 ・ 電話、その他弱電設備関係の契約 ・ 有線等のBGM設備 ・ サイン計画(看板)

 この上記事項については施主(ドクター)さん自ら手配を取ることが多いはずですが、内装工事に関わりが深いため気を利かせて業者さんの方から聞いてくることもあります。内装工事が終わってからでもどうにかなるかもしれませんが、業者さんがこの件に関して何も聞いてこなかったら施主(ドクター)さんから切り出し、相談しながら進めていく事がスムーズかつ間違いや無駄を少なく出来ると思います。

 内装工事が完了しましたら必ず施主(ドクター)さん、業者さん両者の立会いの上、引渡しの検査をおこなって下さい。

 よく自主検査といって簡単な訂正事項だけを申告し、引渡しを終了させてしまう業者さんもあります。あとからクレームを言ってもごねられてしまうケースもありますのでこの様な場合でも、施主(ドクター)さんを含めた再検査をしてもらうよう申し出ましょう。

 検査終了後、開院までの間にはいろいろな方々が出入りし、また数多くの物品が搬入されます。もしその間に内装のどこかを傷つけたり壊してしまった場合は、自分で修繕せずに速やかに業者さんに連絡して下さい。   見た目より簡単に直ってしまう事もあります。費用が少々掛かってしまうかもしれませんが開院の時点できれいな状態が良いですよね。

 ここまでの間に業者さんと上手に付き合ってこられたなら、内装のアフターケアに関して融通が利くことも多くなることでしょう。後々の医院内の維持に対してのアドバイスやメンテナンスの方法について、裏技を教えてもらえるかもしれません。

 内装工事は業者さんとの打合せから含めると、何ヶ月もお互いの意見を出し合って築き上げるものです。その間には意見の食違い等もあるでしょう。しかし完成までこぎつけたということは、その大きなプロジェクトをお互いに協力し合ったという連帯感も必ずあるはずです。中には最後に決別してしまうケースもありますが、工事が完了した後も良い関係でいることが施主(ドクタ−)にとって、プラスになることが多いでしょう。

内装も歳をとります(老朽)し病気もします(故障)。 生まれたとき(開院)からの係りつけの医者(業者)がいると的確な対応が期待できます。 (変な例えで申し訳ありません・・・)

結局のところ人間対人間のお付き合いなので、具体的にどの様に業者さんと仲良くやっていくかは様々なやり方があります。 ただ前回と今回のお話を参考にしていただき、トラブルなく進めていくことで両者の良い関係が築ければと思う次第です。

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