第6回 オペラント行動(2)

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前回はⅣ、強化子についてお話ししました。1、強化子の分類で、1)正の強化子、2)負の強化子についてまでお話ししましたので今日は強化子のなかの2、無条件性刺激と条件性刺激についてです

IV 強化子

2、無条件性刺激と条件性刺激 1)無条件性刺激:その刺激の働きが人(動物も含む)にとって生得的なもの 2)条件性刺激:その刺激は本来中性であったものが、オペラント条件付けで無条件刺激と*対提示することによって、無条件刺激のような働きを持つもので、後天的にその特徴を獲得した刺激 ※対提示 例として好きなおもちゃと好きなお菓子を一緒の出す、つまり強化子が2つある 3、それぞれの例:*3)、4)は嫌悪刺激ともいわれる 1)無条件性正の強化子:生得的なもので、食物など 2)条件性正の強化子:後天的に獲得されたもので、好きなおもちゃなど 3)無条件性負の強化子:生得的なもので、電気ショックや毒物など 4)条件性負の強化子:後天的なものでその人が嫌いな食物など 4、般性強化子:複数の無条件性正の強化子に条件付けられた条件性正の強化子 例として、是認、貨幣、愛情(強化子としては強い) 5、強化子の特徴 1)条件性強化子は徐々にその効力を失うが、ふたたび無条件性強化子と対提示することで効力は回復する 2)般性強化子により条件付けされたオペラント反応は、般性強化子が複数の無件性強化子条の性質を帯びているので、消去されにくい *同じ強化子を使用していると効果は薄れる *同じ強化子を使用していると飽きる。少し間をおいてから、またその強化子を使用すると効果が回復する

V 負の強化と罰

1、負の強化と罰の関係 2、負の強化 1)逃避反応: 負の強化子の除去により形成反応、例)電気ショックが提示されたとき、前もって電気ショックを停止させる 2)回避反応: 条件性負の強化子が提示されることによって、負の強化子を回避する、例)ランプがつくとその後電気ショックが起きるとき、ランプがついている間にレバーを押せば電気ショックがおきないようなとき 3)一般に負に負の強化によるオペラントの形成は困難 負の強化の提示によりオペラント行動と両立不可能(例:心拍が上昇するなど)のレスポンデント行動が触発される 3、罰:反応することにより、正の強化子の除去をするか、負の強化子の提示されること 1)罰の操作は強化とは逆である 2)しかし、効果は同じで、一時的に反応を抑制しているにすぎないので、罰を行わないと、その反応はまた出てくる 3)罰は徐々にその強度を増していかないとその効果が薄れていくという特徴をもつ 例) 親が子を怒ってばかりいる。子は親の怒りに慣れてくる。次に怒る場合は最初に怒ったよりも強く怒らないと効果がない。

VI 行動形成

1)分化強化:ある特定の基準を超えた反応のみ強化すること 2)漸次的近似:順次強化されるべき反応の基準をあげていく操作 3)行動形成:分化強化により(動物)に新たな行動を形成させること 正の強化と負の強化の用語解説 ※正の強化(positive reinforcement) 望ましい行動に引き続く快い刺激のことを指し、望ましい行動の生起率を増大させる。例)テストでいい点を取る ※負の強化子(negative reinforcement) 望ましい行動が生じた後に不快な刺激が取り除かれることを指し、望ましい行動の生起率を増大させる。例)かんしゃくがおさまってから、子供に部屋を出ることを許す 次回は「オペラント行動(3)」についてお話しします。

「今日のコラム」

Evidence−Based Medicine 私は月に一回、EBMの勉強会に参加しています。この前の議題は「Informed Consent」でした。わかっているようでわかっていませんでした。 EBMの勉強を始める前に、このコラムでも登場する、渡辺勝先生にこんなことを言われて、今でも心に残っています。「EBMはコンセプトが違う。患者の希望を第一に、自分の技量を踏まえて、論文を参考にする。」 今までは、講義スタイルの勉強会にしか参加したことがなく、EBMはSGL(small Group Learning)の形式の勉強会で、最初はかなり戸惑いました。(今でも戸惑っていますし、論文を読むのも難しいです。)しかし、SGLはたくさんの歯科医師、歯科衛生士の意見や考えを聞くことができます。今まで、講義スタイルにはない、「患者の希望を第一に」を強く考えさせられます。その気持ちを持っている、歯科医師、歯科衛生士の勉強会で学ぶこと私にとって大変貴重です。 ※お知らせ 前回、ジェームススキナーの9ステップについてお話ししました。興味のある方は小冊子とCDをプレゼント中だそうなので興味のある方は、ジェームススキナー事務所に問い合わせをしてみて下さい。 http://www.jamesskinner.com
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