第1回 コミュニケ―ション時代の到来
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最近、歯科衛生士向けのコミュニケーションのセミナーやカウンセリングについてのセミナーが増えてきました。必要性を感じている歯科衛生士も多いのではないでしょうか?私もその一人です。
口腔内疾患は生活習慣に関わっています。そのため、予防習慣を定着させるための行動の変容を求められます。しかし、将来的に起こりうる問題を対処できると知っていても、現在の習慣を変えることは難しいです。
私はある学院で心理学を学びました。患者様の歯を守るには予防が必要であり、生活行動を保健行動に変える必要があります。私は患者様の心に潤滑油を与える歯科衛生士になりたい。そしてコミュニケーションセンスを身につけ、患者中心型に医療へと仕事をしていきたいと思うようになりました。
「心理」や「カウンセリング」という言葉を聞いたことはあると思います。私は心理学を勉強するまでは深い意味は知りませんでした。今回のテーマは「心理」とは何か?「カウンセリング」とは何か?です。わかりやすい言葉で説明していきます。
Ⅰ、心理とはなにか?
1 広辞苑より
(1)心の働き
(2)意識の状態または現象
(3)行動によって捉えられる心的過程
2 心理学でいう心理
(1)行動:環境に対処して行われる全体的行動
(2)どんな環境に当面したときにどんな行動をとるかということを明らかにすること
(3)意識:刺激(環境)との間に介在するもの
※
行動:反応=人の振る舞い、刺激=人を取り巻く環境、有機体=人や動物をそれぞれ表す
行動:反応=刺激(環境)×有機体(人や動物)
行動:
反応を変えるには、刺激(環境)を変える方法=*行動療法
有機体(人や動物)を変える方法、つまり、その人の物の見方や考え方を変える方法=*認知療法がある
3 精神分析
精神分析の創始者は*フロイトである。無意識の中に抑圧された欲求や願望を意識化して人の抑圧されたものを明らかにする。(*用語解説あり)
Ⅱ、カウンセリングとは何か?
1 コミュニケーションを通して、相手の行動の変容を試みる人間関係
(1)言語的コミュニケーション
(2)非言語的コミュニケーション(顔の表情、しぐさなど)
2 人を理解しようとする態度は行動の変容がされやすい
(1)行動を変容させるためには信頼関係を構築させることが大切
3 教育的側面も持つ
(1)教育→行動の変容を目的とした行為
[1]教育は主に知的側面に働きかけるが、カウンセリングは情動にも働きかける
[2]社会化:社会に適応できるようにすること
(2)カウンセリング→文化や社会などに縛られない部分の教育
[1]個人の尊重:他人を奪わない限り、自分のあり方を自由に選ぶ権利がある
[2]自分自身の好みや能力を生かすこと
4 選択の自由を得ていく→束縛から解きほどく作業、選択肢があること
で悩みが軽減される
(1)外界の自由(振る舞いの自由)
(2)内界の自由(その人の価値観、考え方の自由)
カウンセリングとは、コミュニケーションを通して、相手の行動の変容を試みる人間関係であります。私はコミュニケーションを通して、患者様の生活行動を保健行動へと変容を試みる人間関係を築きあげるために日々、精進しています。
一部の本ですが、これらの心理学の本で勉強をしています。
※用語解説
行動療法:
学習理論を応用して、問題行動や不適切行為などを解消していくとともに、適応行動を触発し、強化していく。レスポンデント技法(不安や恐怖をコントロールできるよにする)、オペラント技法(間違った反応を修正、訓練する)などがある。
認知療法:
間違ったものの見方や解釈が感情と行動に悪影響を与え、同時にこれらの修正が個人の現実適応と成長を促進させると仮定する。クライアントの思考方法と内容の査定、および間違った考え方の改善に焦点をおく。
フロイト:
オーストリアの精神科医
1896年に「精神分析」という言葉を初めて使用して神経症の
治療に貢献した
歯科衛生士
心理カウンセラー
青木五月
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