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最新技術で歯科診療を次のステージへ Immersive of iTero Lumina™ × exocad™ Exclusive オンサイトイベントレポート
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イベント概要
歯科業界のデジタル化は今、新たな転換期を迎えています。2025年3月16日にGMOグローバルスタジオにて、インビザライン・ジャパン合同会社主催のもと開催された「Immersive of iTero Lumina™ × exocad™」では、iTero Lumina™口腔内スキャナーのアップデートとチェアサイドアプリケーションの進化が披露されました。
本イベントでは、技術革新・臨床応用・患者体験の3つの視点から、最新のデジタルソリューションの実用性と経営的価値が紹介されました。冒頭では、インビザライン・ジャパン合同会社 社長 松本 貴嗣 氏より開会のご挨拶があり、続いてアソシエイトマーケティングディレクター 千葉 悠助 氏より、新機能に関する説明が行われました。
昨年のiTero Lumina™ イベントで披露されたとおり、スキャン範囲が従来の3倍、スキャンスピードが2倍、スキャン深度が1.5倍に向上し、より広範囲かつ正確なデータ取得が可能になりました。6つのカメラを搭載することで、広角かつ高精度なスキャンが可能となり、スキャンのワークフローをシンプル化し、時間短縮と業務効率の向上が実現されています。
今回、新たに追加された「マルチバイト機能」では、最大6つの咬合状態を記録でき、治療計画の精度が飛躍的に向上しました。また、高精細2D画像と3Dスキャンの統合表示により診断支援機能も強化され、患者への説明もよりスムーズに行えるようになっています。
exocad™ とのシームレスな連携により、チェアサイドで即時の補綴設計・出力が可能となり、患者の待ち時間短縮にも貢献します。自動マージン設定機能やクラウドベースのデータ管理によって、設計作業や運営効率の最適化が図られており、これらの機能増強により、補綴スキャンの可能性が広がりました。
全体の雰囲気
会場は満席で、参加者の関心の高さがひしひしと感じられました。セッション中は積極的な質問も多く飛び交い、製品の技術的革新だけでなく、実際の臨床導入に関するリアルな声が多く寄せられていました。
補綴モードの活用やデザインソフトとの連携による効率化への期待の高さが印象的であり、デジタル補綴のさらなる普及と発展に向けた前向きな空気に満ちていました。
セッションハイライト
はじめに、松﨑祐也先生(目黒リリー歯科・矯正歯科 院長)は「iTero Lumina™の補綴領域におけるベネフィット」と題し、補綴モードによるマージン取得の精度やワークフローの短縮化について、臨床ケースを交えながらのご説明がありました。iTero Lumina™の持つ「撮れる場所が広い、深い、速い」という特性が、補綴の精度と生産性を飛躍的に高めると語られていました。
補綴治療における「確実性とスピード」の両立を支えるインフラとして、iTero Luminaの有用性がリアルに伝わるセッションでした。
荒井昌海先生(エムズ歯科クリニック)、北道敏行先生(きたみち歯科医院 院長)、長尾龍典先生(ながお歯科クリニック 院長)の3名の先生によるパネルディスカッションでは、チェアサイドでの完結型ワークフロー実現に向けたiTero™とexocad™の連携について議論されました。印象採得から補綴設計、製作までの一連のプロセスが1日で完了することによる、患者満足度の向上やスタッフの生産性改善について具体的な実践事例が紹介され、「チェアサイド完結」が現実味を帯びる中、デジタルインフラの整備と現場での運用ノウハウの重要性が浮き彫りとなったディスカッションでした。
植田憲太郎先生(HANA Intelligence 歯科・矯正歯科)は「iTero™が加速させる持続成長可能なクリニック経営」と題し、補綴ワークフローのデジタル化がもたらす業務効率の向上と、スタッフのモチベーションアップ、ひいては経営の安定化までを視野に入れた活用戦略を解説されました。iTero™が「売上を作る」だけでなく、「チーム力を高める」存在でもあるというメッセージが印象的で、デジタル機器を「経営の歯車」としてどう活用するかに迫った実践的な内容でした。
大河雅之先生(代官山アドレス歯科クリニック 院長)からは「ベニア支台歯形成デザインの考え方」と題して、ラミネートベニアを中心とした支台歯形成の実際と、形成量を最小限に抑える設計思想についての解説がありました。光学印象の限界や補綴精度を考慮したマージン設定の工夫など、デジタル時代の形成コンセプトに深く迫る内容であり、「削る量を減らすために何ができるか」を再考する機会となった講演でした。
梅田和徳先生(KU歯科クリニック 理事長)は「IOSを活用するための補綴コンセプト」と題し、天然歯とインプラントそれぞれにおける形成や補綴設計の考え方の違いを明快に解説されました。デジタルツールを最大限に活かすためのコンセプトチェンジや、セメント除去・歯肉保護の観点から見た浅いマージン形成の有効性について、豊富な臨床例を交えてのご説明がありました。「浅い場所での補綴」を可能にするための、理論と実践の融合が凝縮されたセッションでした。
ハンズオン展示
会場内のハンズオン展示エリアでは、iTero Lumina™による補綴モードのデモや、exocad™による補綴設計の体験コーナーが設けられ、多くの参加者が実際に操作を体験されていました。
iTero Lumina™の操作感やスキャン精度、exocad™の設計自由度とスピードの両立を、来場者が実感できる貴重な機会となっていました。
最後に
本イベントでは、チェアサイド補綴におけるiTero Lumina™の革新性と、exocad™との連携による臨床的・経営的メリットが明確に示されました。補綴の確実性と効率を両立するための“インフラ”として、今後ますます注目が集まるであろう技術の数々が披露され、参加者の多くに深い印象を残しました。
最後に、インビザライン・ジャパン合同会社 iTero事業責任者 内田 貴之 氏より、2025年6月にバンコクで開催される「Invisalign Summit」の案内があり、教育・ネットワーキング・ハンズオンを通じて、チーム医療の強化やスタッフ教育を支援していく展望が語られました。
技術革新がもたらす恩恵は、患者の医療体験の向上にも直結しています。スキャン画像を活用した視覚的な説明により、患者の理解促進やセルフケア意識の向上にもつながっています。
今後、AIやクラウド技術の進化により、診療の精度と効率がさらに向上していくことが期待されます。本発表会を通じて、デジタル技術が歯科診療の未来をどのように形作っていくかの片鱗が感じられる、非常に意義深い機会となりました。

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