▶新規会員登録
  • HOME
  • 記事
  • DENTAL TRIBUNE
  • 【カンボジア発】世界は今、どこへ向かうのか?著しい経済発展の陰で、歯科医療現場の道は未だ険しい

記事

2018/06/20

【カンボジア発】世界は今、どこへ向かうのか?著しい経済発展の陰で、歯科医療現場の道は未だ険しい

グローバル化が進むことによって、歯科医療の情報格差はもはや過去のものとなった。世界は、今後、どこに向かうのか?各国の最前線レポートをお送りする。

ポル・ポト政権の大虐殺により、一時28名にまで歯科医師数が激減したカンボジア。経済復興は目覚ましいが、医療現場の課題は山積している。

今も残る深い爪痕 医療・教育現場の再建へ

高層ビルの建設ラッシュ、道路には日本以上に高級車が走行する。ここはカンボジアの首都プノンペン。急速に経済発展するカンボジアは、一方で街から少し離れれば、私が医療支援活動を始めた19年前とまったく変わらない貧困が続いている。

カンボジアは東南アジアに位置する人口約1,600万人、日本のほぼ半分の面積の王国だ。1970年から始まった内戦による国土の疲弊、そして1975年からのポル・ポト派による独裁政治、クメール・ルージュ。知識層である医師、教師らの大半は虐殺された。約30年間の内戦で、私が初めて訪れたときは、世界最貧困国、医療レベル最低国だった。

現在では経済発展は著しいものの、一度崩壊した医療、教育現場はまだまだ遅れている。確かに、街の中心部では免許を持った医師がかなり増えた。しかし、病院は今でも患者さんや家族で溢れかえっている。お金がないために治療を受けられない人が多いのも変わらない。
医療保険制度がないカンボジアでは、CT撮影も自費だ。加えて、1カ月の給与ほどする高額な撮影費では、ほとんどの患者さんは撮影を拒否してしまう。画質の悪い単純X線写真と超音波検査のみの診断で、術前の診断が困難なことも多々あった。ほとんど経験と勘に頼る術前診断、手術を余儀なくされる。やはり医療現場の貧しさは相変わらずだ。

ポル・ポト政権の大虐殺により800名ほどいた歯科医師は、カンボジア全土で28名に激減した。このように崩壊した歯科医療も現在では、歯科大学も国立1校、私立3校(軍大学除く)、歯科医師数約700名にまで回復している。カンボジアの歯科大学は7年制で、歯科医師国家試験も3年前から開始された。附属クリニック(大学附属病院はない)での患者診察実習は5年生から。しかし、大学教育のカリキュラムはまだまだ確立されていないのが実態だ。カンボジアのような医療後進国では、大部分の歯学生は一般歯科医を目指すため、医科と同様、専門医は非常に少ない。

▶詳細はこちら

岩田 雅裕
  • フリーランス口腔外科医
記事一覧
歯科医療従事者に一層求められる役割「口腔癌の早期発見」(2019/06/13)【歯科法務に強い弁護士に聞く】歯科の個別指導、 どう対応すればいい?(2019/05/14)【スタディ・グループに聞く】 女性歯科医師の会(WDC)、設立10年 生涯研修、仲間づくりを目指して(2019/05/13)【学会理事長に聞く】 会員サポートと、国民への啓発 両面からの活動で、一歩でも前へ(2019/05/10)第38回ドイツIDS プリビュ・ショー記事 第4弾 口腔内スキャナ編(2019/03/15)3-Dプリンターの流行は歯科業界により作られる(2019/03/01)第38回ドイツIDSプリビュ・ショー 歯内・歯周編(2019/03/01)2019年第38回ドイツIDS (国際デンタルショー) の開催まであと少し!(2019/03/01)中東国(ヨルダン)における小児口腔ケアの課題(2019/02/21)壊疽性口内炎(水癌)のリスクファクター(2019/02/13)メタルフリーで軽く、会話・食事が快適になる可撤式部分義歯(2019/02/04)「臼歯マイク」による個人用通信システムが米国国防総省から数百万ドルの資金提供を受ける(2019/01/28)歯周疾患治療で肝硬変患者の症状改善の可能性がある(2019/01/21)小児患者の歯科恐怖症を最小限まで和らげる動機付けの方法とは?(2019/01/15)MTA(MAP system)を用いた直接覆髄により歯の予後が安定している症例(2019/01/15)口腔灼熱症候群患者に関する新たな発見について(2019/01/07)HPV関連癌が最もよくみられるのは口腔内であるとの報告(2018/12/28)2018年の世界の主要学会の動き & 2019年の主要学会、あなたはどこへいく?(2018/12/28)【トップ歯科技工士に聞く】CAD/CAMの本当の恩恵とは?「患者本位の歯科技工」(2018/12/20)イノベーションが企業の原動力であると信じています。(2018/12/20)【糖尿病専門医に聞く】歯科の最大の強みは「連続性」。子どもから高齢者まで、慢性疾患予防のアプローチを(2018/12/20)陽極酸化処理されたインプラントの生存率は98.5%(2018/12/12)欧州流アンチエイジング健康法~活性酸素を溜めない生活習慣とは?~(2018/12/10)臨床歯科医と歯科麻酔科医のチーム医療実現と環境の構築(2018/09/13)歯科学生の研究意欲向上と歯科医療の高度な発展に貢献するSCRP(2018/09/13)歯周病およびインプラント周囲疾患の新分類 ~歯周病の本質にせまる20年ぶりの大改訂~(2018/09/10)健康長寿社会の実現に向けた歯科医療のイノベーションを起こす(2018/09/10)インプラント治療を通し、歯科系最大学会として、超高齢社会における責任を果たす(2018/09/10)EuroPerio9 レポート『重度歯周病患者で抗生物質耐性が上昇。安易な使用に警鐘』(2018/08/23)EuroPerio9 レポート『人口の 50% が歯周病に感染しやすい』(2018/08/09)より優れた治療結果のために 治療の進化を支えるデンタルソリューション(2018/07/05)超高齢社会の中で、歯科医が果たす新たな役割(2018/06/26)【カンボジア発】世界は今、どこへ向かうのか?著しい経済発展の陰で、歯科医療現場の道は未だ険しい(2018/06/20)【オランダ発】世界は今、どこへ向かうのか?先端医療と予防が共存する国オランダ(2018/06/20)【アメリカ発】世界は今、どこへ向かうのか?臨床、教育現場で拡大し続けるデジタルデンティストリーの波(2018/04/13)【オピニオンリーダーに聞く】グローバルな歯周病学会を目指し、海外の学会と連携、年次大会を開く(2018/04/06)【企業トップに聞く】歯科領域の健康管理を目指しMiと審美治療の製品を開発(2018/03/29)【サウジアラビア発】世界は今、どこへ向かうのか?欧米と肩を並べる教育制度と専門医制度(2018/03/22)【オピニオンリーダーに聞く】学問を通して歯科医療の重要性を国民にアピール(2018/03/16)International Magazines紹介(2018/01/12)歯科医は臨床データに裏付けられた 科学者であるべき(2017/12/04)欧米の考え方と取り組み方を学び、アジア歯科医療のリーダーになろう(2017/11/26)留学体験は大きな財産。 論理的思考と感性が磨かれた(2017/11/13)アメリカの大学院で学んだ歯科医師としての倫理観を大切に(2017/11/06)世界の歯科の動きにアンテナを巡らせ、日本の優れた歯科医療を世界へ発信(2017/10/30)

新着ピックアップ


サンデンタル テクニカルセミナー 2019

「3X-Power System」を新開発!26Wへパワーアップを実現!

第112回歯科医師国家試験の総評と今後の展望

難易度高過ぎ!?現役歯科医師らが歯科医師国家試験に物申す

医療広告ガイドライン対策