【オランダ発】世界は今、どこへ向かうのか?先端医療と予防が共存する国オランダ

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グローバル化が進むことによって、歯科医療の情報格差はもはや過去のものとなった。世界は、今後、どこに向かうのか?各国の最前線レポートをお送りする。 3D解析による診査、診断、術前シミュレーションなど、オランダでもデジタルデンティストリーの応用が進む。同時に予防医学とのバランス感覚も絶妙だ。

進む口腔外科領域での3D解析と応用

医療の進歩とともに、疾患への解釈や診査診断方法、治療方法はこれまでに大きく変化を遂げてきた。それは口腔外科領域においても同様である。 まだ日進月歩の医療だが、その反面で疾患に対する治療の根本的な概念や術式が、かつてのように大きく変わるということは徐々に少なくなっていくと予想している。細かなマイナーチェンジはあっても、誰もが思いつかなかったような新たな術式が生まれるということは減っていくだろう(ゼロにはならないが)。 それよりも、今後、医療の進歩に重要となってくる要素は、診査診断機器やプランニングのデバイス、実際の臨床現場で使用されるツールやマテリアルの発展だろう。 オランダに渡って1年半、実際に見聞きしてきた情報からも、その様子が強くうかがえる。私がお世話になっているマーストリヒト大学病院の講座でも、3Dデータの応用(解析)がトレンドの柱だ。中でもPatient Specific Implants(PSIs)の頭蓋骨欠損症例に対する応用や、個々の患者さんの3Dデータから、Additive Manufacturing(付加製造)によって作成された、下顎骨再建プレートの利用などが積極的に行われている(頭蓋骨欠損症例では、生体活性を改善するための生体材料のリサーチにも関心が集まっている)。 また、頭蓋骨欠損症例や顔面非対称症例、重度の中顔面外傷症例などにおける、健側の3次元構造を患側にミラーリングして行うシミュレーションや、顎変形症におけるバーチャルプランニング、腓骨再建時のカッティングガイドと、どれをとっても3D解析が重要な役割を担っている。従って、臨床に3Dを応用するための3Dコンピュータや3Dプリンター、使用されるマテリアルの研究・改良、そうして出来上がったカスタムメイドのプレートやガイドの臨床応用が、トレンドでありフロントラインだ。 ▶詳細はこちら
小山 慶介
  • マーストリヒト大学頭蓋顎顔面外科学講座 歯科・口腔外科医(日本口腔外科学会認定医)
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