第4回 感謝する、と言うこと

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 5月。GWは実家での農作業、景山正登先生セミナー、月一回の勉強会が二つ、院長に騙されて規定よりも多く書いた原稿の締め切り、先輩衛生士さんの結婚披露パーティ、フォーラム東京スタッフミーティングへの参加、となかなか時間をフル活用した一ヵ月でした。    でもですね、“終わってる”と言われたんですよ。例のイケメン喫煙者美容師さんに。 (コラム2回目参照)。    彼の営業トークに乗せられて、今月は2回も行ってしまった美容院。そこで終わってる、とはあんまりじゃないですか。  そもそも、結婚披露パーティに参加するためにセットしに行った時、切ってもらいたかった前髪を、今日は長い前髪を流した方が似合う、と言われ、そのままにし、改めてカットしに行ったんですよ、私は。 知人にも友人にも話した私。人に話すことで自己客観視できてきました。   確かに言われてみれば、“終わってた”かも、この一ヵ月。医院から帰るのも遅くなりがち、帰宅したらパソコンとにらめっこ。考えてみればゆっくり夕食、なんてとっていない。時間が無いのでお風呂もシャワーのみ。気づいてみれば体重は変わらないのに体脂肪が増えている。“ダメ女”じゃないですか。しかも、いつもより沢山の方々に接する機会が多かったのに、まるで吸収できていない。今思えばもったいない!!と感じることが多いではないですか。    フッと、ある患者さんのことを思い出しました。今もメインテナンスに来てくださるその方は、私が1年目の時から担当させていただいた50代の女性です。  その頃私は、いろんなことをとにかく頑張ろう!と無我夢中の時期でした。開業したばかりで理想に燃える院長と、ベテランでパワフルな先輩衛生士。毎日の仕事を覚え、足りない知識と技術をなんとか補おう、と本を読んだり練習したり、セミナーに参加したり。   そんな時、その女性が“頑張っているのね”と、急に口にされました。その当時は深く考えもせず、“ここは先生も先輩もとても熱心ですから”と答えました。するとその方から、“でもね、頑張る度合いは人それぞれ。人に合わせて頑張らなくて良いのよ。”と思いもかけない言葉が返ってきました。  今思えば、診療でしか接していないはずの彼女が、何のことを指して言ったのか、よほど必死に一生懸命にやっているように見えたのか。でもその言葉を聞いて、急に肩の力が抜けて行ったのを覚えています。無理せず自分なりにできることを頑張れば良いんだ、と。疲れた時、行き詰った時、彼女の言葉にどれだけ励まされたことか。   その女性に、今でもとても感謝しています。そう思うと、患者さんに、先生方に、先輩や後輩衛生士に、とにかく私と接して下さるいろんな方に、見守られ、支えられ、育てられてきた私。    改めていろいろあった今月のイベントを振り返ってみると、沢山の“感謝”しなければならない現場に遭遇していた私。自分自身の感謝の形、とは別の、多くの方の感謝の形も目の当たりにしていることに後になって気づきました。  だんだんと仕事に慣れ、それなりに忙しくなり、やらなければいけないことが増え、“人に感謝する”心がなくなっていたのかも知れません。気づいてみれば、私は今月何のために忙しかったのか?セミナーに参加して?原稿を書いて?スライドを作成して?で、そこから何を得たのか?何のためにそれらを頑張ったのか?  ただ単に忙しい毎日を過ごしていたのでは、そこから得られるものは何もありませんよね。 セミナーに参加すること、原稿を書くこと、スライドを作ること、が目標になってしまったのでは、本末転倒。何にも成長しませんよね。  そう言えば昔読んだ本に書いてありました。“不満を感じる時は人に感謝する心を忘れている”。いろんな面で、それを痛感した一ヵ月でした。  

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