歯科情報のあり方の検討会:青木委員私見「診療情報標準化は社会保貢献になる」

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11月25日に開催された、「第4回歯科診療情報の標準化に関する検討会」で、参考人などから実証例を報告され今後への議論が期待される。この研究会に最後に、青木孝文・東北大学副学長(大学院情報科学研究科教授)が、歯科診療情報の標準化による歯科の観点からの可能性に個人的意見を断りながら、検討会での意識共有を図るためとして説明したものであったが、興味深い内容を紹介した。「この政策事業は、社会からも期待されることであり、期待が寄せられる」としており、一部要旨を以下に紹介する。 災害での身元確認の事例として、東日本大震災の状況として、「宮城県の最新統計は、①身体特徴・所持品が86%、②歯10%弱、③指紋3%、④DNA1%であり、歯による身元確認の有効性が実証された。そこで、歯科診療情報の消失、行方不明者の口腔状態の推定に係わる作業が課題になった」とした。その対応として、バックアップの仕組みを早急に整備すること、行方不明者の口腔状態の推定およびデータ化に膨大な時間を要したことが求められた。 また、標準化により何が可能になるのか。その点を挙げた。①身元確認支援機能を有するレセコン・電子カルテの開発、②災害・事故等を含む緊急時における情報提供の迅速化、③平時の行方不明者に関する情報提供の推進、④互換性のある歯科情報検索ツールの開発、⑤患者向けデジタル歯科情報のお渡し・お預かりサービスの提供、⑥災害・事故等の緊急時に備えた歯科情報バックアップ事業の展開、⑦歯科健診所見のデジタル保存事業の推進、⑧多様な考え方の歯科情報データベース事業の推進。 改めて“標準化”に関して『歯科医療機による情報管理の原則』と強調した上で、「歯科医師が主導する社会貢献を国が支援する形の制度設計が重要であり、身元確認の情報」提供はレセプトの提出ではない」とした。 過去に起きた、“スマトラ島沖地震22万人”“ハイチ地震10万人”“四川大地震8.7万人”“米国同時多発テロ2996名”“阪神淡路大震災6437名”“日航機墜落事故520人”“中華航空機墜落事故264名”“JR福知山線脱線事故107名”など災害・事故・事故等を犠牲者数により類型化し、「開放型は、遺体の候補者の集団が大きい一方で、閉鎖型は候補者の集団が限定されるもので、その相違を理解して置く必要がある」とした。 今後には、具体的な可能性に言及し、可能性の高い順に、◎「歯科医療機関ごとに民間ベータセンター等を活用して、標準形式で定められた歯科診療情報のバックアップを行う」◎「地域医療情報連携事情など各種の政府施策を活用し、バックアップを地域レベルでまとまって医科と連携実施」、○「各都道府県歯科医師会や特定地域歯科医師グループ等を中心として、大規模災害・事故などの緊急事態に備えるために標準形式の専用データベースを構築」、△「国家レベルの決断が必要」など示した。 全体を通じて青木委員は「この事業は、社会的に大きな意義があり、社会貢献になり国民からも求められているものであり、議論を深め着実に進めていきたい」と期待を寄せた。
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