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歯科衛生士の働き方と早期離職予防に関する調査

歯科衛生士の働き方と早期離職予防に関する調査

歯科医院の数がコンビニの数を上回っていると言われている昨今。歯科衛生士は就職先をどのように選択しているのだろうか。
さらに就職した先で長期勤続するためにはどのようなことを重視しているのか。

今回は厚生労働科学研究費(地域医療基盤開発推進研究事業) 歯科医療従事者の働き方と今後の需給等に関する調査研究 【歯科衛生士の働き方と早期離職予防に関する調査 】を元に解説していく。今後、歯科衛生士として就職先を決定する際に参考にしていただけると幸いだ。

やはり人間関係が重要!

下記のグラフは卒業後に歯科衛生士として就職する方の就職先決定の重視事項を希望勤務年数別にみたグラフである。

歯科衛生士の働き方と早期離職予防に関する調査

いずれの希望勤務年数においても「職場の人間関係」を重視すると回答した方の割合が最も高く、次いで「給与」という結果となった。

歯科医院というそれほど大きくはない組織の中で働く場合には、人間関係が良好でなけばいくら給与が高く、勤務時間が短くてもストレスや疲労が溜まる一方で当然長続きはしないだろう。

逆に給与が少しばかり低く、勤務時間が延長してしまう職場であっても、人間関係が良好でお互いを高め合えるような関係性のスタッフたちであれば誰もが長く働くことのできる最高の職場となるということだ。

就職先を決定する際の見学や面談で歯科医院の人間関係まで見抜くことは極めて難しいことなのかもしれないが、スタッフや院長の関係性や雰囲気をじっくりと観察することをおすすめする。

長期勤続には”やりがい”が最も重要!

下記のグラフは卒業後に歯科衛生士として就職する方の長期勤続のための重要事項を希望勤務年数別にみたグラフである。
いずれの希望勤務年数においても「仕事のやりがい」を重要とするという方の割合が最も高かったが、次いで割合が高かった項目について3年未満の方は「勤務条件」が高率だったのに対して、3年以上の方は「自分のスキル」を重要と回答した 。

歯科衛生士の働き方と早期離職予防に関する調査

3年未満の希望勤務年数が短い方は勤務時間や福利厚生といった条件にとらわれがちであるが、希望勤務年数の長い方は自分のスキルと回答していることから歯科衛生士という職業に対して前向きな意識を向けていることが分かる。

最後に…

雇用する側の歯科医院は歯科衛生士の就業に対して求めていることと、重要視していることを把握することが大切である。

さらに、それと同時に歯科衛生士の就業継続の促進に向けて歯科衛生士に対する就労観についても把握していくことが長期勤続する歯科衛生士を獲得するカギとなるのではないだろうか。

プロフィール
歯科衛生士のcoe編集部

参照:厚生労働科学研究費(地域医療基盤開発推進研究事業)歯科医療従事者の働き方と今後の需給等に関する調査研究
令和元年度~令和2年度 総合研究報告書 歯科衛生士の働き方と早期離職予防に関する調査