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歯科経営において、新技術の「保険収載」は単なる点数の追加ではありません。
自費領域のテクノロジーが「標準治療」として公的に認められ、医院の生産性を劇的に変える「武器」へと変わるマイルストーンです。
本稿では、2024年の実績を起点に、現在確定している保険収載の流れとスケジュール、そして2026年改定に向けた医院経営の指針を提示します。
「保険収載」は経営の武器。2026年改定で加速する自費技術の「標準治療化」への対応策
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歯科医療における保険収載の基礎知識
■ 保険収載の「2つのルート」
通常収載(随時収載): PMDAの薬事承認後、3・6・9・12月の四半期ごとに収載。2025年12月から2026年1月にかけては、「3Dプリント総義歯材料」が相次いで収載され、デジタルデンチャーの実用化が公的に始まりました。
診療報酬改定時収載: 2年に1度の改定(次は2026年6月)に合わせ、既存技術の評価替えや画期的な新技術の点数が設定されます。
■ 2026年「6月施行」のスケジュール
2024年度から施行時期が後ろ倒しされたことで、3月の告示から6月の施行までに「3ヶ月の準備期間」が置かれています。この期間に施設基準の届け出やデジタル機器の導入、スタッフ教育を完了させることが、改定直後の円滑な算定に不可欠です。
2024年度改定の総括:2026年への基盤
2026年改定への対応を検討する上で、2024年度に新設・改定された項目の算定状況を把握することは必須です。これらは次期改定においても、歯科経営の根幹を成す評価軸となります。
| カテゴリー | 項目 | 点数 | ポイント・今後の展望 |
|---|---|---|---|
| デジタル | 光学印象 | 100点 | IOSを保険診療に組み込むためのフロー構築が、今後のデジタル加算への前提条件となる。 |
| 管理 | 口管強 | 加算48点~ | 「削る」から「管理する」への移行。施設基準の維持が、高単価な予防管理料の算定に直結する。 |
| 人的資本 | ベースアップ評価料 | 2点〜 | 賃上げ実績を点数で担保する仕組み。スタッフの離職防止と採用力強化に不可欠な経営指標。 |
| 修復 | CAD/CAM大臼歯 | 約1,200点 | メタルフリー化の拡大。技工指示のデジタル化による納期短縮とコスト管理の安定化。 |
2026年改定における主要な論点
現在、施行に向けて審議されている内容は、2024年に導入された「DX」と「処遇改善」のさらなる具体化です。
1、 デジタル補綴の実装(3Dプリント技術等)
2025年12月の3Dプリント総義歯材料の収載を受け、2026年6月改定では、デジタル工程を含めた「一連の補綴処置」がどう評価されるかが最大の焦点です。液槽光重合方式による省力化が、診療報酬体系にどう組み込まれるか注視が必要です。
2、医療DXの推進(マイナ保険証・電子処方箋)
マイナ保険証の利用率に基づく加算や、電子処方箋の普及が「基本料」の評価に影響する流れが強まります。また、+3.09%という高い本体改定率を原資としたスタッフの賃上げ継続は、採用力強化における必須要件となります。
3、賃上げへの対応継続
2024年に新設された「ベースアップ評価料」は、2026年以降も医療従事者の処遇改善を継続するための重要な柱として維持され、算定手続きの簡素化などが検討されています。
まとめ
保険収載の変遷から読み取れるのは、「アナログからデジタルへ」「対症療法から継続管理へ」という制度の強い連続性です。
2026年6月の施行に向け、これから具体的な点数や算定要件の詳細が次々と明らかになります。Dentwaveでは、今後も中医協の動向や各メーカーの最新保険収載情報を精査し、最新情報を発信し続けてまいります。




