▶新規会員登録

特集記事

歯科医は臨床データに裏付けられた 科学者であるべき

自問自答からインプラントを学び直す

私は1999年からインプラント治療を行っていますが、当時のインプラントは「うまい」か「へた」ですべてが流れていました。歯科雑誌ではうまい治療ケースや、うまい歯科医がいろいろ紹介され、若いときはそれを見て「私もそうなりたい」と思ったものです。
歯科医院を開業し、ある程度の経験も積み、インプラント治療への自信もついてきましたが、一方で「本当にこのままでいいのだろうか」という思いもありました。そこで、一度、しっかりとインプラントの基礎から学び直そうと、スウェーデンでの1週間の研修に参加しました。
毎日、朝8時から夜の6時まで、びっしりと行われる講義の中で、何よりも私が教え込まれたのは、「インプラント治療は科学であり、医療には再現性が必要」ということでした。
その当時、日本で頑張ってやっていたことは経験則に過ぎず、どうしてそうなるのかという理由に乏しかった気がします。海外の先生たちからよく言われるのは、「その治療は、別の患者に同じようにできるのか」ということです。誰が行っても同じ結果になる、つまり再現性があるのが医療であり、それは科学なのです。
しかも実際にスウェーデンの臨床現場を見ることで、「こんな小さなことまでデータをとっているんだ」と感心しましたし、その臨床データを基にエビデンスを導き、自分の治療に生かしているのを見て、かなりショックを受けました。それ以来、自分が治療した臨床データは必ずとるようにしています。
また、スウェーデンの研修で一緒だった東京の竹下賢仁先生が主宰するI.O.R.(口腔内再構築研修会)に、補綴コース統括講師として参加していますが、ここで最も大切にしていることは、「歯科医師は科学者」という言葉です。つまり歯科医師は、臨床データから導き出したエビデンスに基づいた治療を行う、科学者であるべきだと思うのです。
そして日本の歯科医師たちも、再現性がある治療を行うようになれば、日本が世界のトップに立ち、海外から日本に学びに来るようになるでしょう。

▶詳細はこちら

墨 尚(すみ・たかし)
  • 墨歯科医院・Avanti Implant Center 院長

1997年、愛知学院大学歯学部卒業。その後、同大学非常勤助教、I.O.R.補綴統括講師、O.S.I. Study Club名古屋支部副支部長を務める。2013年、フロリダのタンパで開催されたAcademy of Osseointegration Annual Meetingにおいて、Best Presentation Awardを受賞。現在、Academy of Osseointegration Global Program Developmentに所属し、Committee Member とGlobal Ambassadorを兼任。

SNSアカウントでログイン

※ログインをすると同時にご利用規約に同意したものとみなします。

メールアドレスでログイン


ログインできない方はこちら