第3回:近年の歯科医師国家試験をぶった斬る!

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昨今、歯科医師国家試験の難化が叫ばれて久しい。残念ながら、その事実は認めざるをえない。また、歯科医師国家試験の難化に伴い、大学側も進級・卒業試験をより難しくする傾向にあり、低学年からの留年者が増加している。

そのような状況下にある、近年の歯科医師国家試験問題を2回に分けて目にしていただいた。今回は、別の切り口より難関化の要因を見たうえで昨今の国家試験事情を解説していきたい。

例題3(108C-95)

抗腫瘍薬パクリタキセルの標的はどれか。1つ選べ

  • a. 微小管
  • b. ゴルジ体
  • c. 滑面小胞体
  • d. リソソーム
  • e. ミトコンドリア
解答は






















解答:a
ケース3:現役生では定番の問題

本問は、抗腫瘍薬の作用機序について問うている。
新薬の開発に伴い、覚えるべき事項も年々増加しているのが実情である。パクリタキセル自体、販売開始が1997年と比較的新しく、薬価の収載に至っては2006年まで待つ必要があった。したがって、免許取得後にこの薬の存在を知った人も多いのではないかと推測される。
抗腫瘍薬はその作用機序により、アルキル化薬・代謝拮抗薬・白金化合物・微小管阻害薬・抗腫瘍性抗生物質などがある。このうち、パクリタキセルは微小管阻害薬である。その作用機序は、チュブリンの重合を促進し、微小管を安定化、過剰形成させることで細胞周期をM期に停止させるものである。

抗腫瘍薬の種類も年々増加の一途にある。現役生はそれぞれの作用機序、副作用を知識として習得しなければならない。また、CHOP療法に代表される新たな抗腫瘍薬を用いた治療法も授業で教わる大学も存在する。

抗腫瘍薬に限らず、日々進歩する歯科医学に合わせて学生に要求される知識量は右肩上がりで増加している。レーザーやCAD/CAMがそのいい例であろう。

今回の問題をまとめると、

  1. 現役生では、日々進歩する歯科医学に合わせた知識が要求されているということがわかる。
今回は、3問の例題を持ちだして近年の国家試験を解説した。このコラムを通して、近年の歯科医師国家試験の実情を理解していただければ幸甚である。

執筆:東京デンタルスクール 教務主任 岩脇 清一 氏
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