世界一分かりやすい嚥下機能検査 講師:「戸原 玄」先生・「山口 浩平」先生

記事全文を読むには
無料会員登録が必要です。


世界一分かりやすい嚥下機能検査 イベントレポート
世界一分かりやすい嚥下機能検査
2021年11月12日(金)、1D(ワンディー)主催による「世界一分かりやすい嚥下機能検査」がオンラインセミナー形式で開催された。

セミナー講師は東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科老化制御学系口腔老化制御学講座摂食嚥下リハビリテーション学分野教授「戸原 玄」先生と、東京医科歯科大学病院摂食嚥下リハビリテーション科特任助教「山口 浩平」先生である。

本セミナーはセミナー参加者にとって摂食嚥下のエキスパートである講師陣より最新のトピックを聴講できる絶好の機会となっている。近年の訪問歯科診療の傾向として、居宅においてもVE(嚥下内視鏡検査)を使用する機会が増えており、今後も嚥下機能検査の需要もますます高まっていくことが考えられる。訪問歯科診療に従事する歯科医師がVEを使うことができれば、歯科医師としての市場価値も当然上がるだろう。

セミナーでは嚥下機能検査のみならず、クラウドファンディング開始後わずか3週間で1,300万円を調達し、失われた声を取り戻す「Voice Retriever」についての開発秘話についても述べられていた。


▲セミナースライド抜粋

世界一分かりやすい嚥下機能検査 概要(20:00-22:00)
  • 摂食嚥下障害の基本
  • 嚥下機能検査の種類
  • スクリーニング検査
  • 要介護高齢者や嚥下障害疑いの患者の見方
  • VE(嚥下内視鏡検査)の手技と読影
  • 摂食嚥下の最新トピック
  • Voice Retriever
セミナー内容の全てを取り上げたいが、本記事では「VEがなぜバリュー(価値)になるのか」について山口先生から紹介された内容を抜粋し紹介したい。

「嚥下機能検査の手技を学びたい」「訪問歯科診療に従事しており興味がある」「これからVEを使っていきたい」という方の参考になれば嬉しい限りである。


▲歯科医療従事者は顎口腔の問題にアプローチできるプロ集団

VEにバリューがある理由<3選>
①ドクターの特権
VEによる嚥下機能検査は医師もしくは歯科医師のみが行うことのできる検査である。介護スタッフ、看護師、歯科衛生士などによる検査はできない。

②画像で確認することができる
嚥下機能をスクリーニングする上で、RSST・咳テスト・MWSTなどの検査がある。しかしながら、これらの既存の検査方法では不顕性誤嚥や咽頭残留の有無までは確認ができない。

一方、VEであれば、咽頭喉頭部を映し出したモニター像から不顕性誤嚥や咽頭残留の評価が可能である。また、介護施設や病院のスタッフへの情報共有しやすく、分かりやすい(まさに、「百聞は一見に如かず」である)。

③多職種連携において義歯治療や口腔ケアが光る
不顕生誤嚥や咽頭残留の有無を確認するだけでなく、新たに義歯を製作するような場面でもVEは活躍する。例えば、下記ケースのような場合だ。

~想定ケース~
“食事でむせやすく最近食事が喉を通りにくくなり身体が弱っている入院患者がいることを病院スタッフから相談を受けた。患者は不適合義歯を装着しているようで嗄声もある。ミールラウンドでは上手に咀嚼・嚥下することができなかった。VEを行ったところ咽頭残留の所見も認められた。そこで義歯の新製、食形態の考慮、摂食嚥下リハを施行することにした。最終的には誤嚥せずに嚥下することができるようになり、VEでも咽頭残留が認められなくなった。病院スタッフからも、「新製義歯により上手く咀嚼ができており、食事でむせる頻度も少なく、以前よりも増して活動的になった」との報告を受けている。“

あくまで想定例ではあるが、多職種連携の中でVEも活用し歯科が上記のような形で介入することによって患者の嚥下機能が改善されることに繋がれば、多職種の中での歯科という役割に大きな意味を持つに違いない。


▲戸原教授より特許出願中の内視鏡やクラウドファンディングの秘話が紹介

「世界一わかりやすい嚥下機能検査」受講後の感想
セミナーに参加した自身の感想だが、嚥下診療を一般歯科診療に如何に上手く組み込んでいくかの内容が中心となっており、摂食嚥下に普段関わっていない歯科医師でも理解しやすい内容だったように感じている。

本セミナーのように摂食嚥下機能検査をテーマに取り上げたセミナーは少ないため、その一線で活躍されている講師陣の話はセミナー参加者にとっても非常に参考になる内容だったに違いない。

「世界一わかりやすい嚥下機能検査」のセミナーを視聴したい方は、下記リンクから本セミナーの動画を視聴することも可能である (見逃し配信あり)。

1Dセミナー「世界一わかりやすい嚥下機能検査」
今回、「世界一わかりやすい嚥下機能検査」のセミナーを開催した1D(ワンディー)では歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士向けの情報発信を行なっており、臨床やライフスタイル、経営など様々なテーマをしたニュースや、著名なドクターから学べるオンラインセミナーなどが逐次開催されている。

自身も1Dの会員であり、会員同士の交流やLINEを活用した転職斡旋など、他にも様々なサービスを利用することができる(無料で会員登録可能)。

1D(ワンディー)HP
本記事の内容がこれから嚥下機能検査を始めようと考えている方や既に診療で実践している方の参考になれば、非常に嬉しい限りである。
古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)
日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。イエテボリー大学歯学部 "Oscillation course" 修了。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。主に、DentwaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、2019年7月よりメディカルネットの顧問。離島歯科医療に従事後、本島で歯科臨床に従事している。

記事提供

© Dentwave.com

この記事を見ている人がよく見ている記事

新着ピックアップ