ヒューフレディ・ジャパン合同会社主催 Infection Control Symposium 2018 第3部

カテゴリー
記事提供

© Dentwave.com

Infection Control Symposium 2018 (ICS) イベントレポート 第3部
第2部では、柏井伸子先生と金子明寛先生の講演内容を紹介した。診療報酬改定後の収益の差や、手指衛生における保湿の重要性などの内容も掲載されているので、本記事と合わせてご覧いただきたい。
第3部では、深柄和彦先生の「感染対策のために知っておくべき栄養と中材の話」と岸本裕充先生の「歯科におけるインフェクションコントロール~今後に向けて~」の講演内容を紹介する。
深柄和彦先生講演「感染対策のために知っておくべき栄養と中材の話」
▲「深柄 和彦」先生 講演
深柄和彦先生(東京大学医学部付属病院手術部准教授)は、栄養療法と器材の再生処理の重要性を医療スタッフに知ってもらいたいという想いで、講演を行った。特に、中材スタッフの存在意義を強く唱えた。
中材とは、中央材料室のことを指す。主に、病院などの大きな施設で、洗浄・滅菌機器を有し、オペや処置・検査の際に使用した医療器材やガーゼ等の材料の洗浄、消毒、滅菌、パッキングなどの業務を一括して行う場所を指す。中材には、多くの第一・第二滅菌技師が配属されており、感染管理に関する知識をしっかりと持っているスタッフが日々業務を行っている。
中材が医療施設にとって非常に重要な場所であることは間違いないが、地域医療支援病院や特定機能病院などの施設基準の中には一切記載されていない。また、病院の案内図にも中材の場所の明記がないこともある。中材スタッフとして日々業務に真剣に携わっている人にとって、これらの事実は残念なことである。
深柄先生は、「中材スタッフが苦労して滅菌してくれるおかげで器材が再利用できる。その苦労を理解する医療人であろう」と述べた。感染防御は器材の適切な再生処理があって成り立つものである。我々医療人はそのことを決して忘れてはならない。
岸本裕充先生講演「歯科におけるインフェクションコントロール~今後に向けて~」
▲「岸本 裕充」先生 講演
ICS最後の講演者として壇上に立った、岸本裕充先生(兵庫医科大学歯科口腔外科学講座主任教授)は、医科歯科連携という視点での感染管理について述べた。医科歯科連携では、「医科ではできない、歯科ならではの医療技術の提供」が求められる。
例えば、う蝕や歯周病は口腔内細菌の感染症であるが、それらのインフェクションコントロールを適切に行うには、歯科の専門的な知識を有している歯科医師・歯科衛生士の活躍が期待される。
口腔ケア時の手指衛生の徹底、PPE装着など、歯科以外の医療従事者も最低限のスタンダードプレコーションを実施することが重要である。
岸本先生は”オーラルマネージメントCREATE”の主要要素について説明し、医科歯科連携の中で歯科が実施できるインフェクションコントロールについて述べた。CREATEという言葉は6つの頭文字から構成されている。
・C: Cleaning(清掃)
・R: Rehabilitation(リハビリテーション)
・E: Education(教育)
・A: Assessment(評価)
・T: Treatment(治療)
・E: Eat & Enjoy(楽しく食べる)
CREATEの6つの要素が備わることにより、楽しく食べることが可能になる。医科歯科連携において、適切な口腔ケアを実施するために歯科ができる役割は、的確なアセスメントを行い、歯科治療計画を立案することである。今後の医科歯科連携では、歯科医療従事者のもつ専門知識を大きな強みとして、歯科の存在感を高めていく必要がある。
適切な感染管理で、患者とスタッフを感染から守る
▲ICS大会長「又賀 泉」先生 閉会挨拶
今回、ICSの講演内容を3部構成で掲載したが、第1部第2部の記事をご覧になっていない方は、一読いただきたい。手指衛生の効果や、診療報酬改定後の医院の年間収益の変化なども記載されており、日々の臨床や日常生活で役立つ内容が掲載されている。
適切な感染管理を行わない医院は、今後行われる診療報酬改定毎に、大きな打撃を受ける可能性は十分考えられる。院内感染の施設基準を満たしていない医院は、早急に感染対策を講ずるべきであろう。適切な感染管理が患者を守ることになり、ひいては大事なスタッフも守ることにつながるのだから。

オススメ記事


▲Infection Control Symposium 2018 第1部

▲Infection Control Symposium 2018 第2部


古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)
  • 日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。主に、DentWaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、現在に至る。

記事提供

© Dentwave.com

閉じる