EuroPerio9 レポート『重度歯周病患者で抗生物質耐性が上昇。安易な使用に警鐘』

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歯周病による疼痛を患者が訴えた場合、抗生物質や鎮痛剤を処方することは一般的であるが、歯周病への薬剤投与に対する明確なガイドラインはないのが現状である。本記事では、歯周病患者に対し安易に抗生物質を投与することは、薬剤耐性菌の誕生リスクを上昇させることにつながると述べられている。
重度歯周病患者で抗生物質耐性が上昇。安易な使用に警鐘
今回のEuroPerio9で発表された「ヒト歯周病原菌の抗生物質に対する耐性の傾向 (2008~2015年)」において、共著者のFriederike Brune氏は、ドイツの重度歯周病患者で抗生物質耐性が上昇していることを指摘した。これは、歯周病患者の治療が上手く奏功していないことを意味する。20世紀初頭より我々人類は抗生物質による恩恵を受けてきたが、その恩恵を脅かす抗生物質耐性の存在は、地球全体を危機的な状況に陥れることを保健当局は警告している。
共著者のSøren Jepsen教授は、「歯周病患者の歯肉から採取した細菌サンプルの抗生物質耐性をイン・ビトロにより確認することが本研究の目的である。」とし、「総体的に、本研究で選択された4種類の重要な細菌は、試験対象に選んだ抗生物質の内、少なくとも1つ以上に耐性をもっていることが明らかとなった。我々の収集したデータが、3 菌種において薬剤耐性の上昇を示したことから、歯周病治療に対して抗生物質を安易に投与することに懸念を抱いている。」と述べた。
現在、抗生物質の全身投与による歯周病治療は、従来の微生物学的分析に基づくガイドラインなしで規定されている。標的となる歯周病原菌が、選択された抗生物質に対して耐性を持っている場合や、感受性が低い場合、治療の失敗リスクが増大する。医療従事者は本当に必要な場合のみ抗生物質を処方するべきだと、Jepsen教授は述べた。保健当局は、抗生物質の合理的な使用方針を定め、薬剤耐性菌に対して地域的および世界的な規模で監視を強化する必要性を述べている。薬剤耐性菌の診断と治療の定義付けを推進させ、レジストーム(resistome;微生物における抗生物質耐性遺伝子)を明確にするための次世代シークエンサーの活用が今後必要だろう。
By Dental Tribune International
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