ペンエンドについて PESCJ10期生 田渕 康允

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皆さん、こんにちは。
ペンエンド10期生の田渕康允(たぶちやすまさ)と申します。
私は2019年にペンエンドのレギュラーコースを受講し、その後2020年3月にペンエンド認定医試験に合格し認定医となりました。
今回、私が所属しているペンエンドがどの様なスタディグループなのか?私の体験も踏まえながらご紹介させて頂ければと思います。
ご存知の方もいらっしゃると思われますが、ペンエンドは歯内療法に特化したスタディーグループで、正式には【Penn Endo Study Club in Japan】というグループ名です。我々は【PESCJ】と称しておりますので、以下そのように表現させて頂きます。 それでは、以下の流れで進めたいと思います。


①PESCJの成り立ちと構成

 PESCJは、米国で最も古い歯内療法学科の一つであり現代歯内療法のBirthplaceと言われているペンシルバニア大学歯内療法科大学院(レジデントプログラム)を修了された石井宏先生が中心となり、牛窪敏博先生・尾上正治先生と共に2009年に設立し、ペンシルバニア大学歯内療法学科の臨床コンセプトとテクニックを日本の歯科界に広く伝えることを主な活動としております。 (詳しくはhttp://www.pescj.orgを参照) 現在のメンバー数は100名を超えており、それぞれのメンバーは、講演会・セミナー・書籍・雑誌記事・研究・学会発表・論文投稿など多岐にわたり歯内療法分野において第一線で活躍しております。

② レギュラーコースの内容
図A

 PESCJは、まず1年間のレギュラーコース(通称:本コース)がベースとなります。(図A参照)
本コースは、書類&面接選考を経て選抜された8名によって毎年行われており、内容はペンシルバニア大学大学院プログラム(2年間の専門医養成プログラム)を1年間にまとめたものとなっております。
本コースには修了するために必要な必修課題があり、1年間毎月2日間(計22日間)の研修と、ペンシルバニア大学での研修および最終試験(3日間)があります。

PESCJを他の研修会やスタディーグループと比較した時、圧倒的に違うのは必修課題の多さと、そのために必要となる勉強量のボリュームになります。(表1参照)

表1

本コースにおける必修課題&やること一覧(一部抜粋)


  • 院内設備&診療オペレーションの見直し
  • 論文の検索と収集
  • 担当論文のプレゼン(20分程度、計8~10回)
  • トピックプレゼン(60分、1回)
  • レビュープレゼン(45分、1回)
  • 症例発表(約30ケース)
  • 実習準備
  • 抜去歯課題(提出は大臼歯30本、実質100本くらいは行う必要あり)
  • コラムの作成
  • 卒業試験勉強

私の場合は、コースの後半に自分の大きなプレゼン(トピックプレゼン)がありましたので、夏過ぎくらいからは、診療後は毎日深夜までクリニックに残って課題を行い、休日もほぼ全てクリニックに行き課題を行っておりました。

本コースの1年は自分の人生の中で最も勉強した期間だったと、今でも思っております。
それ故に、得られるものはとてもとても多いです。
分からないことがあれば、自ら論文を検索し、熟読吟味し、自分の頭で考え、理解できるようになり、溢れる情報に振り回されることがなくなりました。この能力の習得は自分の歯科医師人生において、何事にも替えることの出来ないかけがえのない財産となり、勿論自信にも繋がっております。


③ 他のスタディーグループとの違い

 本コース受講の際、一番最初に『この勉強会はやり方や答えを教えてもらう場所ではありません。自分で勉強し、自らで知識と技術を身につける場所です。』と石井先生が仰っていた事を今でもはっきり覚えておりますが、今となってはまさにその通りだったと感じております。


研修会にて(講師陣の先生方や卒業生も参加されてます)

本コースを卒業した後も、継続学習が出来るのがPESCJの良いところだと思っております。
卒業した翌年は、次年度の本コース受講生のチューターとして後輩たちのサポートを行います。自分が1年間学んだことの復習にもなるので、とても良い経験になりました。
また、卒業生は本コースの聴講も可能です。今はコロナ禍ということもあり、暫く聴講はできておりませんが、後輩たちのプレゼンを拝聴することもまた勉強になります。

本コース卒業後の次のステップとしては、PESCJ認定医、そのさらに上にはPESCJ専門医というものがあり、それぞれ定められた試験に合格する必要があります。
また現在、北米の歯内療法専門医プログラムと同等の教育内容となっているレジデントプログラムというものも用意されております。

④ 最後に

 以上が、私の経験も踏まえたうえでのPESCJのご紹介となります。
ここでの出会いと学びは私の歯科医師人生を大きく変えました。
歯内療法領域のみならず歯科医療全般に対して、さらには人生における様々な出来事に対して、自分の頭で考え、判断し、行動をすることができるようになったと感じております。
とてもハードなスタディーグループではございますが、新たな可能性を切り開きたいとお考えの先生方が、PESCJの門を叩かれることを私たちは心待ちにしております。

田渕 康允

東京医科歯科大学 歯学部 卒業
東京医科歯科大学大学病院 義歯外来 摂食機能保存学教室 専攻課程修了
Penn Endo Study Club in Japan レギュラーコース 修了
ペンシルバニア大学 Microscopic Training Course in Surgical Endodontics 修了
PESCJ認定医
AAE(米国歯内療法学会)所属
JEA(日本歯内療法学会)所属

記事提供

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