廃業しない!! 歯科医院に最も必要なことは?

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みなさん、こんにちは。鋼のメンタルを持ったルーキー片岡です。
今回、私が気になったことは「歯科医院の廃業」です。
近年、増え続ける歯科医院により歯科医師は過当競争の渦中に立つ状況です。そのため、歯科医師は開業後も経営者として他院との差別化や戦略を立てる経営スキルを求められる時代になっています。
年間2,000件の歯科医院が開業する一方で、1,600件もの歯科医院が廃業してしまう過酷な現代において、歯科医師たちはどのように歯科医院を経営しているのでしょうか?
今回は現役歯科医師の方々に、歯科医師として生き残る術について調査しました。
早速、その結果を見ていきましょう!
歯科医院を開業する上で経営を学ぶことは必要だと思いますか?
96%以上の方が開業医として経営を学ぶことは必要だと感じているようです。
やはり、他院との差別化を図り、安定した患者を確保するためには経営は必須項目だということが分かりますね。
では、実際に歯科医師のみなさんは日頃から経営をどれくらい勉強しているのでしょうか?
日頃、経営関連の勉強をしていますか?
先ほどの結果とは裏腹に、半分以上の歯科医師は経営の勉強をしていないという結果になりました。日頃歯科の勉強も必要な歯科医師にとって、並行して経営の勉強も取り入れるとなると簡単なことではないということが推測できますね。
では、実際に経営を勉強している歯科医師と、勉強していない歯科医師ではどのような差が生まれるのでしょうか?
これまでに廃業の不安を感じたことはありますか?
この結果を見て分かる通り、2つの結果に大きな差はなく、勉強の有無が廃業への不安に大きく影響している訳ではありませんでした。
さらに踏み込んでこのような質問もしてみました。
これまでに廃業の危機に直面したことはありますか?
なんと実際に廃業の危機に直面した歯科医院は、勉強している歯科医師の方が僅かに多いという驚きの結果になりました。歯科医院を経営する上で経営を学ぶことは、成功するために最も必要なことではないということなのでしょうか?
では、この廃業の危機に直面した歯科医師のみなさんはどのような方法でこの危機を乗り越えたのでしょうか?実際のエピソードとともに見ていきましょう。
どのようにして廃業の危機を乗り越えましたか?
「患者さんの量や治療内容には波があるのは仕方ないので、来てくれる患者さまをとにかく大切にすることで、口コミなどで増患に繋げました。」(東京都 30代 歯科医師)
「患者とのトラブルにより新患数が激減したが、再来患者さんを大事にして徐々に業績を回復しました。」(大阪府 50代 歯科医師)
「他院との差別化を図り、自費中心の治療に舵を切りました。」(東京都 50代 歯科医師)
「今まで取り組まなかった予防を軸とした治療を始めたことで、来院数が増加しました。」(宮崎県 40代 歯科医師)
「従業員に経営内容を公開して、経費節減に協力してもらいました。」(北海道 60代 歯科医師)
「教育プログラムを再度見直し、ホスピタリティ溢れる医院作りを目指したことで売上が安定しました。」(京都府 50代 歯科医師)


最も多くの回答を集めたのが、「患者とのコミュニケーションを大切にした」で、「経営の勉強を始めた」という回答は10位中8位という結果になりました。 この結果からも経営の勉強をすること以上に、患者さんにとって良い医院作りを心掛けることが結果的に安定した医院経営に繋がるということが考えられますね。
最後に、現役の歯科医師のみなさんにこのような質問をしました。
あなたが思う、廃業する歯科医院の特徴を教えてください。

「患者の意見を聞こうとしない、独りよがりの診療スタイル。」(島根県 50代 歯科医師)
「スタッフ、患者さんなど人とのコミュニケーションや信頼関係の不足」(東京都 40代 歯科医師)
「安易に自費を勧めるような先生は淘汰されるでしょう。開業して32年になりますがきちんとした保険診療ができる先生が廃業、倒産したという話は聞いたことがありません。」(長野県 50代 歯科医師)
「自己研鑽の不足、患者のために行うこと全て。如何に思いやりを持って患者に接することができるか。これが満たされなければ患者は来ません。」(宮城県 60代 歯科医師)
「開業までに自分を歯科医師として信頼してくれる患者さんを最低3組は確保し、 その方たちの意見を十分に取り入れて開業準備をする。医院の方針はなぜ自分が歯科医師となったのか?歯科医師としてやらねばいけないことは何か?を確立し、そのための勉強も行うことが大切です。」(70代 奈良県 歯科医師)


多くの歯科医師は患者さんとのコミュニケーションや信頼関係に問題がある歯科医院は廃業すると回答してくれました。
調査して気付いたこと
「初心に返り、患者さんを大切にすることが最も重要だと再認識!」
今回の調査から改めて歯科医師という職業は人と人との繋がりが非常に大切であるということを認識させられるものになりました。
確かに歯科医院の1人の経営者として経営の知識やスキルを身に付けることは大切ではありますが、その根底に患者さんを大切にするという心構えが根付いていないと身に付けたスキルが活かされないと考えられますね。
まだまだ歯科医院の過当競争は続いていくため、いつ強力なライバルが登場し、廃業の危機があなたに訪れるかも分かりません。そんなときは、まずは患者さんのために何ができるかということを考えて初心に返ることも大切かもしれません。
Dentwaveリサーチ調べ
調査日時:2018年8月17日
調査人数:215人(Dentwave会員 歯科医師)
本音に迫る!歯科ネタ情報局:ルーキー片岡の歯科業界ここが知りたい!
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