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ベルファスト(英国):歯科用アマルガムは自然環境に悪影響を及ぼすこともあり、現在多くの国で廃止が進められています。英国歯科医師会(BDA)の北アイルランド支部は、欧州委員会(EC)が2030年までにアマルガムを完全に廃止する計画を再考するよう求める声明を発表しました。これは、アマルガム廃止が「健康上の不平等を悪化させ」、「すでにかなりの負担を強いられている医療システムを不安定にする」結果になりかねないと主張しています。
長い間、アマルガムは歯科修復物の材料として使用されてきましたが、その使用は環境に悪影響を及ぼす可能性があり、米国食品医薬品局や欧州連合(EU)によると、子どもや妊婦など特定のグループに潜在的な有害な健康被害をもたらすリスクが高いとされています。その結果、ECが欧州議会・理事会に提出した報告書では、「2030年までに技術的・経済的に実現可能」であるとして、地域における歯科用アマルガムの使用を完全に廃止することが推奨されています。
報告書の提出後に英国はEUを離脱しましたが、労働組合によると、提案されているアマルガムの段階的廃止は北アイルランドの歯科医にも適用されるとのことです。BDA北アイルランドは声明の中で、「段階的廃止ではなく、段階的削減が唯一の実行可能な方法である」と主張しています。
「歯科医師は、今後もあらゆる種類の修復材料を自由に使うことができなければなりませんが、現在のところ、耐久性、費用対効果、使いやすさの点でアマルガムに代わるものはありません」と同協会は書いています。
BDA北アイルランドは、新型コロナウイルスパンデミックについて「歯科界の状況が劇的に変化したため、パンデミック前に実施したフィジビリティスタディを、我々が置かれている状況の違いを考慮して見直さなければならない」と付け加えました。
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© Dental Tribune
ライター
Dental Tribune International