新型コロナウイルスワクチンの投与を歯科医師に許可している国はごく僅かである

新型コロナウイルスワクチンの投与を歯科医師に許可している国はごく僅かである

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ジュネーブ(スイス):歯科医師は他の口腔衛生専門家と同様に必要不可欠な医療サービスを提供する第一線の労働者です。そのため、多くの国では歯科医師をワクチン接種の優先グループに含めています。しかし、新型コロナウイルスワクチンの接種を歯科医師に許可するのはどうでしょうか?
 FDI世界歯科連盟が最近行った調査によると、歯科医師によるワクチン投与を許可している国は回答国の3分の1にとどまっています。この結果を受けて、FDIはより多くの国で歯科医師によるワクチン投与を可能にするよう求めています。

新型コロナウイルスに対するワクチンは、ウイルスの拡散を抑制するために実施されている管理措置を緩和するために、非常に重要であると考えられています。米国食品医薬品局は、バイオンテック社とファイザー社が開発したワクチン、モデナ社が開発したワクチン、そしてつい最近ヤンセン社が開発したワクチンの3種類に、すでに緊急使用許可を与えています。
 ヨーロッパでは、バイオンテック社とファイザー社、モデナ社のワクチンの他に、アストラゼネカ社のワクチンが最近、欧州委員会によって安全かつ有効であると認められました。世界保健機関(WHO)によると、現在、前臨床または臨床開発中のワクチンは262種類あり、FDIは最近、2021年1月下旬までに、50カ国以上で約1億回の新型コロナウイルスのワクチン投与が行われたと発表しました。

高齢者や医療従事者などのリスクの高いグループを含む弱者が、最初にワクチンを受けることになります。歯科医師は、患者の口腔内や全身の健康について定期的に接する機会があり、医療分野で幅広いトレーニングを受けていることから、国の新型コロナウイルスワクチン接種プログラムをサポートするのにふさわしい立場にあるとFDIは考えています。しかし、今回の調査では、多くの加盟国がこの意見を共有していないことが分かりました。

●調査結果

この調査は、FDIの新型コロナウイルスタスクチームが中心となり、世界各国の57の歯科医師会が参加して行われました。その結果、回答国の約3分の2が国のワクチン展開戦略の一環として、歯科医師に新型コロナウイルスワクチンの投与を許可していないことが明らかになりました。歯科医師にワクチン投与を許可していないヨーロッパ諸国は、スイス、ポルトガル、オーストリア、デンマーク、スロバキア、ロシア等です。

FDIによると、フランスのOrdre National des Chirurgiens-Dentistes(国立歯科医師会)は、歯科医師によるワクチンの配布を許可するようフランス政府に働きかけましたが、成功しませんでした。また、スペイン、スウェーデン、アイルランド、オーストラリア、ケニア、香港、ドイツでも話し合いが行われているとのことです。

FDI世界歯科連盟会長のGerhard Konrad Seeberger博士は、プレスリリースの中で「口腔の健康は全身の健康と幸福の基本的な要素であり、口腔医療は不可欠な公共サービスである」と述べています。また、「歯科医師が新型コロナウイルスワクチンを接種できるよう、各国の法律や規制の範囲内で、口腔医療サービスへの影響を最小限に抑えられるよう、努力すべきである」と述べています。

調査結果によると、ワクチン投与の認可を職業として与えている国は、カンボジア、コロンビア、エジプト、インド、インドネシア、レバノン、ナイジェリア、セルビア、スロベニア、イギリス等です。米国では現在、約20の州が歯科医師による新型コロナウイルスワクチンの投与を許可しています。FDIは、前述の国の中には、これまで歯科医師によるワクチンの投与を認めていない国もあり、少なくともインフルエンザワクチンは認めていないと指摘しています。

今回の調査では、歯科医師によるワクチン投与のほかに、新型コロナウイルスワクチンの展開プログラムにおける歯科医師の優先順位についても調査しました。調査結果によると、回答国の53%が歯科医師を優先接種グループに含めると答え、12%が含めないと答え、18%がワクチン接種プログラムと優先グループは未定と回答しています。新型コロナウイルスワクチンの第一段階の展開に歯科医を含まなかった国は、カンボジア、コロンビア、カザフスタン、ルーマニア、サウジアラビア、韓国、タイ等です。

記事提供

© Dental Tribune

ライター

Iveta Ramonaite, Dental Tribune International

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