患者さんのデンタルケアグッズを知ろう!《洗口液編》
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患者さんの口腔ケアで使用しているものを私たち歯科衛生士はちゃんと理解できているでしょうか?
情報社会になり、デンタルIQの高い方が増えています。また、ドラッグストアやホームセンターにはたくさんのデンタルケアグッズがずらりと売り場に並んでいるのもよく目にするようになりました。
私たちはプロとして歯科専売品だけでなく、市販品への知識も必要です。
もちろん自分がクリニックでおすすめしたものをご購入いただくことが安心ですが、身近な場所で購入する方は多く、使用方法や効果、効能を理解しないまま使用している方も多いです。
今回は市販の洗口液に着目していきます。
洗口液を購入しようと探してみると、洗口液と液体歯磨きが混在して売り場に置いてあることが多いです。
洗口液と液体歯磨きの違いは、洗口液はブラッシング後に使用し、使用後にブラッシングやすすぎは必要ありませんが、液体歯磨きは、ブラッシング前に使用し、使用後はブラッシングとすすぎが必要です。
使用方法の違いを理解していない患者さんもいらっしゃるので、確認しましょう。
洗口液は薬事法により、化粧品と医薬部外品に分けられます。
化粧品は口中の浄化、口臭を防ぐことを目的としており、医薬部外品はそれに加えて、虫歯予防、歯肉炎予防、歯垢付着の予防、出血予防などが効果、効能としてあげられます。
市販されている洗口液(液体歯磨きは含まない)に含まれる有効成分と、代表的な商品の例をあげていきます。
(※商品名は順不同)
- エッセンシャルオイル(メントール、サリチル酸メチル、チモール、1.8シネオール)
- CHG(グルコン酸クロルヘキシジン)
- CPC(塩化セチルピリジウム)
- モンダミン (プレミアムケア、ナイトクリア、メディカルケア)
- クリアクリーン (デンタルリンス、フルージュ)
- GUM (ナイトケア)
- NONIO
- ピュオーラ
- GK2 (グリチルリチン酸二カリウム)
- トラネキサム酸
洗口液には溶剤としてアルコールが含まれているものがありますが、アルコールアレルギーの方や刺激が苦手な方にはノンアルコールをおすすめします。 市販品の洗口液にも下記のようなノンアルコールのものがあります。
- モンダミン(プレミアムケアセンシティブ、メディカルケア)
- NONIO(ライトハーブミント)
- リステリン(クールミントゼロ)
- ピュオーラ(ライムミント)
- クリアクリーン(ソフトミント)
- GUM(ナイトケア)
- モンダミン(センシティブ・化粧品の分類)
また、刺激が強いものが好きな方には以下のような洗口液をおすすめします。
- NONIO(スパイシーミント)
- モンダミン(エクストラドライミント・化粧品の分類)
患者さんに、より洗口液の効果的な使用方法を理解して頂くために、以下のようなポイントをお伝えできると良いと思います。
- プラークの付着を抑制するためにCHG、CPCは口腔内を清潔にしてから使用すること
- 発泡剤や研磨剤が残ってしまうと効果が減弱してしまうので、よくうがいをしてから使用すること
- ブラッシングとブラッシングの間で使用する場合は、バイオフィルム内に浸透するエッセンシャルオイルがおすすめであること
- 洗口液は歯磨きの代わりにならないこと
- フッ素配合歯磨剤使用後、30分程度あけてから洗口することで、フッ素の効果も期待できること
今回例としてあげた商品は、身近な場所でよく見かける商品ですが、他にも店舗のオリジナル商品やオーガニック商品などを陳列しているお店もあります。
患者さんの口腔内の状態やライフスタイルに合わせたお話ができると、信頼関係も築きやすくなります。
患者さん目線で見て理解し、専門的な立場からその方が健康に過ごすためのベストな選択肢は何なのか、一緒に考えサポートできるのは歯科衛生士の仕事の特権です!
商品はどんどん変化していきますので、ぜひ定期的にドラッグストアなどのデンタルケアグッズ売り場をのぞいてみてください。
宮城高等歯科衛生士学院を卒業後、小児、一般歯科に勤務。
出産を機に転職し、現在は主に一般、口腔外科、インプラント、審美を行う慶真会ソラナデンタルクリニックで主任衛生士として勤務しながらスタディークラブGLWBのエリアチーフとして活動。非常勤で矯正歯科へも勤務している。
歯科衛生士 亀山 和佳奈 |
歯科衛生士のスタディーグループGLWB東北支部 |
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