歯科医師向け 開業支援・経営支援コラム vol.6【設計・施工】設計にあたっての注意点
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前回のコラムで「コンセプトを明確にすることの重要性」について触れさせていただきました。コンセプトが決まったら、それを実現させるための「設計」と「施工」に進むことになります。設計・施工をおこなうにあたっての注意事項についてポイントをまとめましたので以下ご覧ください。
◆メインターゲットとしている患者層に合った設計になっているか?
- 小児メインならキッズスペースやオムツ交換台、明るく楽しい内装
- 高齢者がメインなら、バリアフリー対応、落ち着いた雰囲気、わかりやすいサイン
- 自費中心なら高級感、保険中心なら明るく開放感のある空間づくり
◆コンセプトで決めたメインの治療をおこなうのに適した設計になっているか?
- インプラントなど口腔外科系の処置がメイン⇒オペ室、個室診療室を作る
- メンテナンスなど予防系がメイン⇒衛生士専用ユニット(スペース)を設置
- 親子や小児歯科系がメイン⇒キッズスペース、DVD視聴用モニターを設置
- 自費中心の診療体系⇒カウンセリングルームを設ける
- 購入する医療機器や設備など設計会社に正確に共有しておく
◆コンセプトを実現させるため、ベースとなる基礎工事がしっかりできているか?
- 配管や配線など診療に支障が出ない設計になっているか?
- 法律で決められた要件をきちんとクリアした設計になっているか?
◆スタッフが効率的に動ける導線になっているか?
- スタッフ同士や関患者さんとすれ違う際にストレスがないか?
- 何度も往復しなければならないなど非効率な導線になっていないか?
- 効率的に機材や歯科材料が出し入れできるような収納になっているか?
◆患者さんにストレスを感じさせない設計になっているか?
- ユニットの距離が近く隣の患者さんの治療の様子が丸見えだったり会話が丸聞こえにならないか?
- 待合室が狭く患者同士の距離が近くなり密にならないように設計されているか?
◆医療機関にふさわしい、明るく清潔感のある設計になっているか?
- 日々の清掃やメンテナンスがしやすい設計になっているか?
- 滅菌ルームなど感染予防対策や衛生管理ができるような設計になっているか?
- 購入する機材や設備など設計会社に正確に共有しておく
◆設計・施工の予算管理はしっかりできているか?
- 予算が膨らむと後からの返済が大変になるので、きちんと予算の上限を設ける
- 事前に優先順位を付け、可能な範囲で理想のコンセプトを実現できるようにする
- 相見積もりを取り、相手に無理の無い範囲で価格交渉をおこなう
- 想定外の出費がでる可能性があるので予算には余裕を持たせる
◆歯科業界のことを熟知し、親身になって相談に乗ってくれる業者を選定しているか?
- 歯科特有の配慮や注意事項があるので、歯科医院の設計・施工経験が豊富な業者を選定
- 開業コンサルタントなど、現場経験豊富なアドバイザーに協力を仰ぐ
◆余裕を持ったスケジューリングができているか?
- 開業するまでには不測の事態が起こることがあるので、あらゆることを想定しておく
- 工事は遅れるものと想定し、余裕を持ったスケジューリングをする

事務長代行および事務長養成型 経営コンサルタント
ライトアーム代表 五十嵐 伸好
ライトアーム代表 五十嵐 伸好
歯科器材メーカーにて開業担当として200件以上の開業に携わり、大手ディベロッパーや商業施設との交渉により物件獲得、事業計画書の作成、開業資金の融資確保、医院内装のアドバイスなど、機械メーカーの枠を超えて開業までのすべてをとりまとめ、先生の評価をいただく。
その後、医療法人事務長となり多岐にわたる事務長業務(採用、人事、広報、渉外、経営、税務、労務など)を行い法人運営し、就任時から売上400%以上アップを達成する。現在は事務長代行もしくは事務長養成型の経営コンサルタントとして運営に困っている院長の右腕として活動している。
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