歯科医師向け 開業支援・経営支援コラム vol.4【開業してからのお金を「見える化」する事業計画の作り方】

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開業してからのお金を「見える化」する事業計画の作り方

 歯科医院を開業するにあたり、物件の初期費(保証金や前払い家賃等)、医療機器購入費、内装工事費、広告宣伝費、採用費、備品購入費など、数千万単位の多額の費用がかかります。色々と苦労を重ね、何とか晴れて開業にこぎつけた瞬間は、充実感も一杯で一息つきたいところですが、開業はあくまでスタートにすぎません。今後は雇用しているスタッフへの人件費や業者さんへの支払い、借入金の返済など、毎月お金が手元から出ていきます。つまり、開業資金とは別に「運転資金」という視点で収支を管理していかねければなりません。

 医院において「お金=資金」は人間の血液と同じで、ショートした瞬間に事業は死(倒産)を迎えます。どんなに質の高い治療や医療サービスを提供しても、医院が潰れてしまったら元も子もありません。ですので、お金の流れを「見える化」し、余裕を持たせた資金繰りで医院経営をしていくことが大切です。そのためには場当たり的な計画ではなく、信頼できる専門家にもアドバイスをもらいながら事業計画を立てることをお勧めします。

 なお歯科医院の開業後において、特に注意しなければならないことが2点あるので、十分注意された上で計画をお立てください。

①窓口負担分以外の保険診療の収入は2か月後に振り込まれます

 保険の窓口負担分や自費収入、物販収入以外の保険収入は、ご存知の通り2か月後の振り込みとなります。一方でスタッフへの人件費や賃料などは初月からどんどん出ていきます。また開業後は予定外の思わぬ出費も出てくるものです。手元に、ある程度資金を残しておかないと、余裕を持った医院経営ができませんのでご注意ください。

②患者数が増えれば増えるほど、出ていく金額も大きくなります。

 歯科医院においては患者さんが増えれば増えるほど増えてくる経費が2つあります。ひとつは補綴物など外注した場合の技工費と、治療につかう歯科材料費です。売上が増えることは好ましいことではありますが、手元の資金残高にも注意を払い支出に対応できる状態をキープし続けることが重要です。つまり損益計算書(P/L)、貸借対照表(B/S)ベースの視点だけではなく、キャッシュフロー計算書的な視点も持つことがとても重要です。

 ちなみに、医院のお金の出入りや残高を「見える化」させるためのツールとして「資金繰り表」というものがあります。毎日の収入と支出実績を明確にして毎月の集計をおこない、キャッシュの収支状況・残高を把握します。支払い漏れや回収漏れの有無をチェックするとともに、資金の動きや残高を「見える化」することで、キャッシュが日々どのような流れで動いているかが明確になります。

 なお資金繰り表は以下3つの項目を一覧表にまとめたものです。歯科医院にはほとんどの場合顧問税理士がいるはずなので、資金繰り表も作ってもらい、資金の収支と残高の確認をされてみてはいかがでしょうか?

事務長代行および事務長養成型 経営コンサルタント
ライトアーム代表 
五十嵐 伸好

歯科器材メーカーにて開業担当として200件以上の開業に携わり、大手ディベロッパーや商業施設との交渉により物件獲得、事業計画書の作成、開業資金の融資確保、医院内装のアドバイスなど、機械メーカーの枠を超えて開業までのすべてをとりまとめ、先生の評価をいただく。
その後、医療法人事務長となり多岐にわたる事務長業務(採用、人事、広報、渉外、経営、税務、労務など)を行い法人運営し、就任時から売上400%以上アップを達成する。現在は事務長代行もしくは事務長養成型の経営コンサルタントとして運営に困っている院長の右腕として活動している。

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