双極性障害とはどんな病気?2つのタイプについて解説

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日本人のおよそ1000人に4〜8人が双極性障害と言われています。かつては「躁(そう)うつ病」と呼ばれていたこともあり、うつ病の一種と誤解されがちですが、実はこの2つはまったく異なる病気です。双極性障害は研究データが少なくはっきりとしたことが分かっていない病気ですが、決して珍しい病気ではありません。今回はこの双極性障害について詳しく解説していきます。

双極性障害とは

双極性障害とはハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返す病気です。躁状態では気持ちが大きくなる、ほとんど眠らずに動き回る、大金を浪費する、暴力的になるなどの症状がみられます。これにより社会的信用や財産、職を失うような状態になることもあります。一方うつ状態では気分が落ち込んで眠れない、食欲がなくなる、思考力や集中力の低下などの症状がみられます。躁状態のときの行動を悔やんで落ち込むことも。うつ状態には気付きやすいですが、小さな躁状態には気付かず診断が遅くなることもあります。

双極性障害における2つのタイプ

双極性障害は状態によって以下の2つのタイプに分けられます。

● 双極Ⅰ型障害
● 双極Ⅱ型障害

双極Ⅰ型障害

激しい躁状態とうつ状態が現れるタイプです。躁状態では、周りから見るといつもとは全く違うことが明らかです。状態によっては入院治療を必要とすることもあります。

双極Ⅱ型障害

日常生活や社会生活には著しい支障をきたさない程度の、軽い躁状態とうつ状態が現れるタイプです。「軽い躁状態」とはいえ、病気が軽いということではありません。またうつ状態の期間はⅠ型より長く、自殺のリスクも高いとされています。躁状態には問題がないとされても、うつ状態を繰り返すことが社会生活を阻害してしまいます。

双極性障害の原因

双極性障害の原因は解明途上ですが、脳内の情報を伝える伝達物質に変化が起き、感情や思考、意欲などの脳機能がうまく働かなくなることが原因と考えられています。

双極性障害が起こる頻度

双極性障害が起こる頻度に男⼥差はなく、好発年齢は20代から30代とされています。中学⽣から⽼年期まで幅広い年齢で発症する疾患で、⽣涯有病率は0.4~0.8%程度と⾔われています。なお人付き合いが良い、親切、活動的で熱中しやすいなどといった性格の人は、双極性障害になりやすい傾向にあります。また肉親の死や就職、結婚、出産などのストレスが引き金となって発症したり再発したりすることもあります。

歯科衛生士ライター 高山 由衣さん

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