歯科嫌いの子どもが笑顔になる!診療室と診療中の工夫で好きにさせる5つのポイント

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多くの子どもたちが歯科医院を嫌います。診療室に入るときの不安な表情、診療中の泣き声や恐怖心は、保護者としても見ていてつらいものです。しかし、我々歯科医療従事者が適切な工夫を施すことで、歯科医院が子どもにとって楽しい場所に変わる可能性があります。
この記事では、子どもたちが歯科を嫌う心理的な理由に触れ、笑顔で診療を受けられるようになるための5つのポイントを紹介します。

1.子供が歯科を嫌う心理的な理由

1-1.恐怖心と不安

子どもが歯科を嫌う一番の理由は恐怖心と不安です。見慣れない器具や機械、そしてその音が子供にとって非常に怖いものに感じられます。また、他の病院での痛みの経験やそれに対する予期不安も大きな要因です。

1-2.未知への恐れ

子供たちは未知のものに対して恐れを抱きがちです。特に初めての場所や体験は、大人以上に恐怖を感じることがあります。歯科医院の独特の雰囲気やにおいが、子供の不安を増幅させることがあります。

1-3.過去のトラウマ

過去に痛い治療を受けた経験がある場合、そのトラウマが心に残り、歯科医院を避ける原因となります。

また、親や兄弟から聞いた怖い話も影響を与えることがあります。

2.子どもたちが歯科を怖がらないためにできる診療室の工夫について

2-1.色彩とデザイン

診療室の色彩やデザインは、子どもの気持ちに大きな影響を与えます。明るい色合いやカラフルな壁紙、キャラクターの絵などを取り入れることで、恐怖心を和らげることができます。

2-2.おもちゃや絵本の設置

待合室や診療室におもちゃや絵本を用意することで、子どもの気持ちを落ち着かせることができます。特に、歯科に関連する絵本やキャラクターのおもちゃを選ぶと、自然と歯科に対する親しみを持つことができます。

3.歯科医師や歯科衛生士などスタッフの対応

3-1.優しい言葉遣いと態度

歯科医療従事者が優しい言葉遣いや態度で接することは、子どもの不安を軽減させる重要なポイントです。怖がる子どもを無理に押さえつけるのではなく、丁寧に説明し、まずはスモールステップから進めていくことが大切です。

3-2.丁寧で優しい説明を

子どもが歯医者に対して恐怖を感じる主な理由の一つは、何が起こるのか分からないという不安です。歯科医療従事者は、治療の前に子どもに対して丁寧で優しい説明を行うことが重要です。

まず、使用する器具やその目的を簡単な言葉で説明しましょう。例えば、歯をチェックするためのミラーや、う蝕処置を行うためのジェット機(タービン)など、子どもが理解しやすい比喩を用いると効果的です。

また、治療の各ステップにおいて、子どもに何が起こるかを事前に伝えることで安心感を与えます。たとえば、「今からちょっと冷たい風が出るけど、痛くないから大丈夫だよ」といった具体的な説明が役立ちます。

さらに、子どもが質問をしたり、不安を表明したりする時間を設け、それに対して分かりやすく答えることも大切です。

これにより、子どもは自分の気持ちが尊重されていると感じ、歯科への恐怖心が和らぐでしょう。

4.楽しい診療の工夫

4-1.ご褒美システム

診療後に小さなご褒美を用意することで、子どものモチベーションを上げることができます。シールやおもちゃ、時にはキシリトールお菓子など、子どもが喜ぶものを用意しておくと良いでしょう。

4-2.ゲーム感覚の診療

診療をゲーム感覚で行うことも効果的です。例えば、歯磨きの練習をする際にタイマーを使って競争をする、キャラクターと一緒に治療を受けるなど、楽しい要素を取り入れることで、歯科への恐怖心を減少させます。

5.保護者の協力

5-1.事前の説明

保護者が事前に歯科医院について説明することは、子どもの不安を軽減させる助けになります。治療の流れや目的を簡単に説明し「怖い」「痛い」などのマイナスワードは使わないように予め伝えておきましょう。

5-2.保護者の態度

保護者がリラックスしていると、子どもも安心します。保護者自身が歯科に対してポジティブな態度を持ち、子どもの前で明るく接することが大切です。

6.定期的に歯科医院にきてもらい環境に慣れてもらう

6-1.習慣化

定期的に歯科医院を訪れることで、子どもが歯科に慣れる環境を整えます。定期健診やフッ素塗布など、痛みの少ない治療を通じて、歯科医院が怖い場所ではないことを感じさせます。

6-2.ポジティブな経験の積み重ね

ポジティブな経験を積み重ねることで、子どもは次第に歯科医院を嫌がらなくなります。診療後のご褒美や保護者の褒め言葉を通じて、歯科医院に対する良い印象を持たせることが重要です。

まとめ

子どもが歯科を嫌う理由は多岐にわたりますが、適切な工夫を施すことで、その恐怖心や不安を軽減させることができます。診療室の環境、歯科医療従事者の対応、楽しい診療の工夫、保護者の協力、定期的な訪問という5つのポイントを押さえることで、子どもが笑顔で歯科医院を訪れるようになるでしょう。
歯科嫌いの子どもたちが少しでも楽しい気持ちで歯科医院に通えるよう、我々も日々試行錯誤していかなければなりません。

nishiyama

歯科大学歯科衛生士学科卒業後、小児患者や障害者の歯科診療体制や、歯科恐怖症患者について学ぶため歯科大学付属の専攻科へ進学し口腔保健学学士を取得。その後は小児歯科専門歯科医院にて勤務。歯科衛生士ライターは「歯科に苦手意識を持っている人が媒体を通して理解し、歯科を身近に感じることで歯医者に行ってみよう」という気持ちになることを後押ししたいという思いから学生時代に始めた。

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