患者さんがインプラントを選択するために!超重要マインド!

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患者さんがインプラントを選択するために!超重要マインド!

 歯を失った際に行う『インプラント』。最近ではよく聞くようになり、知らないという人は少数になっているでしょう。なんらかの原因で歯を失ったことにより、患者さんは『インプラント』、『ブリッジ』、『入れ歯』の中から選択を迫られます。あなたは今、患者さんに自信を持って『インプラント』を説明できていますか?自信を持って説明するためには『インプラント』に関する専門的な知識、経験が必要です。それらがあって初めて説得力が生まれてきます。歯科医師は各治療法のメリット、デメリットをしっかり理解して伝える必要があります。今回は患者さんへ説明するために必要な、インプラントの知識をより深めるための最初の一歩をみなさんにお話しします。
患者さんがインプラントを選択するために!超重要マインド!

1.人は歯を失う
2.インプラント、ブリッジ、入れ歯のメリット・デメリットを理解する
3.ここが一番大切!!

1.人は歯を失う
 2016年厚生労働省の歯科疾患実態調査では「40歳を超えて、全て自分の歯」という人は2人に1人。 50歳を超えると61.5%もの人が、歯を失っています。8020推進財団の2018年の第二回抜歯原因調査の結果によると、歯を失う原因の第1位は歯周病(37.1%)、第2位は虫歯(29.2%)、第3位は歯の破折(17.8%)となっています。特に第一大臼歯を失うことが多いです。第一大臼歯は最初に生えてくる永久歯のため、単純に口腔内環境にさらされている時間が長いため失いやすいと考えています。この1本目の歯を失った時にインプラント治療を患者さんに提供できるか。そこが患者さんの人生が歯を失い続けていくものなのか、失うことを止めることができるのか分かれ道となります。インプラントという選択がなぜ重要なのか順序よく説明していきます。

2.インプラント、ブリッジ、入れ歯のメリット・デメリットを理解する
①インプラント 歯を失った場所に、人口歯根を埋めて歯を戻す治療
メリット ・隣の歯を削る必要がない。
・取り外しの面倒や口の中の違和感が少ない。
・残っている歯に対する負担がない。
デメリット ・外科手術が必要
・治療期間が長い
・自費診療となるため治療費が比較的高額

②ブリッジ 両隣の歯を削り、歯を失った部位に橋を架けるように被せ物を連結して歯を戻す治療
メリット ・取り外し式でない
・比較的短期間で治療が終わる
・保険適応内であれば治療費が比較的安価
・噛む感触が自分の歯と近い
デメリット ・隣の歯をたくさん削る
・支える歯の負担が大きい

③入れ歯 隣の歯にフックをかけて人工の歯を補う治療です。
メリット ・保険適応内の義歯は比較的安価
・治療回数や期間が比較的短い
デメリット ・取り外しが面倒
・噛む力が弱い
・フックをかけた歯に負担がかかる

具体的になんらかの原因で歯を失ったとしましょう。この状態を1本欠損と言います。この状態で例えばブリッジを選択すると、両隣の歯を全周削ることになります。その後ブリッジをセットすると、両隣の歯は必ず大きな負担がかかりダメージを受けます。数年後に負担がかかっている歯は失われます。これで3本欠損になってしまいます。一本欠損の状態で、インプラント治療を選択すれば、両隣の歯は全く削られることがありません。両隣の歯は負担がかからないため、本来の歯が持つ寿命を全うすることができます。つまり欠損の連鎖を止めることができます。ブリッジ、入れ歯の選択は必ずドミノ倒しのように欠損の連鎖が起きます。2007年に発表された論文の内容にも6年経過のインプラントの生存率は97%で、6年経過のブリッジの生存率は82%とあります。たった6年でもここまでの差が生まれます。

3.ここが一番大切!!
インプラント治療の最大の魅力は周りの歯を一切傷つけないことにあります。こんなこと誰でも知っているよ。と思われたでしょう。間違っています。患者さんはこのことを全く知らないです。そのため、今が良ければいいという安易な決断をしてしまうことが多いです。しかし、これは患者さんに罪はありません。1本目の歯を失った原因は、患者さん自身によるところが大きいかもしれません。しかし、ブリッジなどを選択して数年後に失う2本目・3本目の歯は、あなたが傷つけた歯です。そうならないように、どういう不幸な未来が起きる可能性があるか、熱意を持って説明してください。患者さんがインプラントを選択するためには、正しい知識、メリット・デメリットの理解が必要です。ここで、簡単に説明している歯科医師が多いため、欠損の連鎖が止まらないのです。1本欠損は患者さんの人生がこれからどうなっていくかの重要な決断のタイミングです。その時のあなたの熱意のこもった説明が、患者さんの未来をより良いものに変えることを願っています。

医療法人寛友会浅賀歯科医院
院長 浅賀 勝寛
日本口腔インプラント学会専修医
ジャパンオーラルヘルス学会予防歯科認定医
歯科医師臨床研修指導歯科医
日本歯周病学会認定医
年間患者来院数45,000人以上の国内最大規模の歯科医院の経営者
世界レベルの『歯科医師を教育する歯科医師』になるのが夢です!!
@dr.katsu_aic
浅賀歯科YouTubeチャンネル 歯科に関する有益な情報を配信しています!


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