69歳で歯科大学進学『希望に溢れています』

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神奈川県民ホールの裏通りに大田順子さんが経営する「ヴィア・イタリア」があった。掲げられていたイタリア国旗で、会社の所在がすぐに分かった。

裏どなりは我が国、最初のイタリアレストラン。

1階はイタリアのモダンなインテリア ルームアクセサリーの店であった。

2階はレンガ、大理石・タイル、デザイン・ドア、システムファニチャーなど。

3階がシステムキッチンフロアとなっていた。

名刺をいただくと、アポロニア(株)取締役会長とあった。

「アポロニアは歯科に縁があります。聖女アポロニアは歯の守り神・女神として知られています。(歯を砕かれ歯を抜かれる拷問を受けたために手にはペンチを持っていている)」

と説明したら、大田さんは驚いたような表情をみせた。

69歳で神奈川歯科大学に入学した動機や、歯学、歯科にかける思いなどを聞いた。

— いくつか、質問をします。

大田 知らないことばかりで、ぜひ教えていただきたいです。

(大田さんは、受験に際して神奈川歯科大学に提出した『勉学に関する主意書』を示し

ながら、履歴を説明した)

— 色々勉強をされてきたのですね。

大田 山口県下関女子短期大学では、食物栄養科で学びましたので、東京に上京して当時赤羽にありました日本美容研究所で栄養からみた美容研究をしましたが、今、考えますと食イコール美容、食から美容科学を研究することがはしりだったと思います。

今でこそ、食と栄養が言われていますが、あの時代(昭和43年ころ)がはりでしたね。

同時に慶應義塾大学の哲学科の通信科に編入しましたが、結婚するこことなりました。

—その後、上智大学神学部(社会成人講座)へ、勉強がお好きなのですね

大田 勉強は好きですね。

(このあと、事業内容について聞く)

—歯科大学に進学を決意し、実行されたのですが、その動機について。

大田 常に勉強したいという思いがありまして、ご縁もあり歯学に心が動きました。

70歳を目前にし、人生の集大成! 今こそ自分のやりたかったことにトライすることだと。

一番やりたかった学問は何だったのか?

「医学と健康」の探求ではなかったのか?

生命を維持するための食事、口から入れる原点の歯科医学である。

そう思ったら、近いところに神奈川歯科大学があり、目から鱗という感じでハッと思いまして、昨年(2009年)、12月も半ばを過ぎたころ入学願書を取り寄せませた。

(母校から色々受験手続に必要な書類などを取り寄せる)

2月1日の試験ぎりぎり間に合い頑張りました。恥ずかしいのですけれども。

西洋医学と東洋医学がありますが、西洋医学は心臓、脳などの先端の技術に目がいっていますが、歯はその動物の生命を維持しているんだ、歯は命の原点なのだと自然にそのような気持ちになりまして、非常に興味が湧き、本を読んだり学んだりしたときに、歯学が原点だと思いました。

入れ歯についても、非常に深く長い歴史があるのですね。

本当に学びたいことが、ここのあったのだと思い突進しました。

それにしても、勉強をする期間がなかったもので、恥かしかったです。

(編入試験は11月に終わっていたので、1次、2次試験となった。国語、英語、生物(選択科目)と小論文、面接を受けた。試験の内容について、詳細な説明をする。その記憶のよさに感嘆する)

—学業に専念することになりますか?

大田 2月後半から、3月今まで色々とやってきたことを整理し、学問に専念したいです。

—ご家族の方の反応について。

大田 主人は私が今後の人生をのんびりするものと思っていとようですが、勉強をしたいと申しましたら、保護者として応援をするので頑張りなさい、自分自身の大きな希望なので遣り遂げてほしい、というふうに言われました。

— 息子さんの反応は?

大田 おめでとう。第二の保護者になろうと言っておりました。

こういう生き方もあるのかなと、希望に溢れています。

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