東京都歯科保険医協会 診療報酬・介護報酬説明会:「消費税対応分は実質損税と理解」

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3月25日、東京都文京区シビックホールで、2014年診療報酬説明会を開催した。会場は、都内各地から1200名以上が参加し改定の要点と解説を傾聴していた。担当者の説明がある冒頭、松島良次会長が挨拶し、今回の改定について「歯科は0.99%の改定でプラス改定と報道されているが、そのうち0.87%は消費税対応分であり、実質はわずかプラス0.12%しかないのが実態なのです」と分析を紹介。さらに「仕入れなどの損税が年間1診療所当たり約81万と試算され、今回の消費税対応分では約16万円しか補填されていません。つまり65万円分が損税となる。この消費税が10%になる予定があるのです。協会としては、会員の皆様と一緒に阻止していきたい」と強調して会員の理解を求めた。 次に、濱克弥副会長が個々の項目から重要性の高い項目、注意する必要性がある項目を、参加者に配布された"2014年改定の要点と解説"本を基に解説した。歯科改定の全体的特長・ポイントについて「在宅医療の推進、周術期における口腔管理、医療機関の相互連携、生活に配慮した歯科医療の充実があります。特に、同一建物内で診療した時間と人数によって歯科訪問診療料が3区分になったこと。経済的誘引による患者紹介を受けることの禁止が療養担当規則に明記されたこと」など指摘した。また、関係者が驚いた「"昭和51年通知廃止の位置づけ見直し"」については、「今までの"昭和51年通知"が、新たに"留意事項通知の通則21"になったことで、今までの不明確だった自費への移行に係わる症例などについて、通知や疑義解釈通じて具体的な取扱いが示されるものと思われる」と今後の推移に注目する必要があるとした。 続いて、開業医から以前から指摘されていた"歯科疾患管理料(歯患)"の算定における文書提供の要件が変更・緩和され、算定が可能になることになったが、この件について、「十分ではないが、まずは要件緩和になったことは、協会の運動の成果と言えるのではないか」と評価をしたが同時に、文書提供の重要性が高まるとして文書提供の徹底を促した。この背景には、患者への理解・了解を確実に得ることでの"安心・安全の医療提供"があるとの指摘もある。歯科より医科の分野での問題となる"うがい薬"単体処方の取扱いについては、「治療目的であれば問題ない」となったとしたが、「医科では、これに反したケースが散見ということで今回、明記されたようだ」と解説した。 歯科技工にも絡む注目された、"CAD/CAM 冠"については、適応される材料の定義、間接法による作業模型であることなどの算定要件を解説した。ただし「まだまだ不明な点が多く、今後具体的な説明が出てくると思われる」と述べ慎重な対応が必要とした。 一通りの説明を終えた後、中川勝洋・政策委員長が改定の問題点を解説。「改定の特徴はアメとムチであり、訪問診療では、在宅は病院から在宅への移行を進めるため評価したが、施設は紹介ビジネスなどを受け点数を大きく引き下げた」と解説。歯管に管に関しては「患者の希望で文書提供不要となっても、文書提供しない場合のカルテ記載は従来通り必要」とし注意を促しつつ、文書提供の取り扱いは自院の実情を踏まえて判断すべき」とした。歯科にリハビリテーションという用語が使われたこと、つまり義歯管理がリハビリの位置付けになったことに言及。「医科ではリハビリは介護保険に移行されている。義歯管理が今後、介護保険に移行されないか注視が必要である。また、フッ化物の応用など予防的な要素を包含した項目に点数が付けられており、処置・修復が少なくなるという今後の歯科診療の在り方にも、見据えておく必要がある。基本的には、処置や手術について制限があったが、概ね改善が見られるといってもいいのではないか。これは、会員と一緒に進めてきた運動の成果である」と要旨述べていた。
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