データで読み解くスタッフの離職問題への対応

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【データで読み解くスタッフの離職問題】仕事は好きなのに、なぜ辞めていくのか?
  • 意外? 8割の衛生士は衛生士としての仕事が好きで、やりがいを感じている
  • 6割の衛生士は転職を考えたことがある。なぜか?
  • スタッフ定着には良い職場環境が必要
  • 新人スタッフの早期退職を防ぐために最も重要なこと
  • スタッフの離職に悩む先生へ
「院長先生、お話しがあります」
スタッフからそう言われ、ドキ!っとした先生も多いのではないでしょうか?
スタッフの採用・定着の問題は、院長先生を悩ませる医院運営の大きな悩みです。
日本歯科衛生士会が歯科衛生士7,869名に聞いた調査*1では、3年以内に退職した衛生士の割合は30%を超えています。また、歯科衛生士の離職者数は15万人にも上ります。
一方で、スタッフ不足が問題の中、スタッフが定着している医院もあります。
各種データを紐解き、スタッフが辞めていかないために、どの様にすればよいのかを読み解いていきます。
意外? 8割の衛生士は衛生士としての仕事が好きで、やりがいを感じている
日本歯科衛生士会の調査*1では、8割を超える歯科衛生士が衛生士の仕事が好きだと答えています。また、同様に8割を超える人が現在の仕事にやりがいを持っていると回答しています。
ただ、その一方で、「もし、今、「職業」を自由に選べるとしたら、衛生士を選びますか?」という質問に対しては3割しか選ぶと回答していません。
このギャップこそ、歯科衛生士が定着しない理由ではないでしょうか?
6割の衛生士は転職を考えたことがある。なぜか?
同じく、日本歯科衛生士会の調査によると、6割を超える歯科衛生士が転職を考えたことがあると答えています。また、3割の方は、歯科衛生士以外の職への転職を考えています。
その理由は何なのでしょうか?
その理由として最も多いものが、給与待遇面・人間関係となっています。この傾向は、新卒の歯科衛生士ではさらに顕著で、就職先を選ぶ理由の一位が職場の人間関係と答えています*2。 SNSで転職を考えている歯科衛生士の本音を探すと、下記の様な投稿が出てきています。仕事が好きでやりがいはあっても、続けていくことができないといった気持ちが想像できます。

歯科衛生士を募集かけても来ない。人材不足。らしいんだけど、まず この業界に問題あるんだよね。
歯科衛生士同士の人間関係 医院長(理事長)の人間性の問題 給料の問題
大抵、医院長か歯科衛生士のどちらかの問題で辞めて、もう歯科で働きたくない人が沢山いる。

歯科衛生士の離職率多い理由は人間関係だけではなく、雇用労働条件では?
なぜ一般企業みたく最初に掲示しないの?(じゃあ一般企業行けよってリプいりません。)
あ、そういえば友達が「開業医は一般社会人経験ないやつ多いから杜撰なんだよ自分中心だし」と言ってた通り

新人スタッフの早期退職を防ぐために最も重要なこと
新人スタッフの早期退職を防ぐために最も重要なことは、心の安全基地を作ることです。心の安全基地とは、アメリカ合衆国の心理学者であるメアリー・エインスワースが提唱した人間の愛着行動に関する概念で、「心細いとき、そのことを素直に話せて、頼ることができる関係性」を意味します。 新人は黙って医院に立っているだけで緊張状態であり、忙しく働きまわるベテランスタッフの何倍もの神経をすり減らしています。この様な状態で、先生や先輩スタッフが熱心に教育しようとも、本来の理解力・吸収力の半分も力を発揮できません。 そこで、新人に対しては、「あなたがいるだけ嬉しい」というメッセージを送り続けることで、心の安全地帯を少しずつ育てていきます。 具体的には、最初の半年間は、院長先生を含む全スタッフで、新人に毎日声掛けを徹底します。年に1回の誕生日会よりも、毎日の承認の方がはるかに効果的になります。 「(手伝ってくれて)ありがとう」「もう帰っても良いんだよ」「何か相談ごとはない?」など、新人のことを医院のみんなで気にかけているというメッセージを送り続けます。
スタッフ定着には良い職場環境が必要
歯科医師の悩みの多くは、人間関係とお金と言われています。そして、それは衛生士も同じであり、人間関係とお金で離職していくことが多いです。
そのため、身も蓋もない話ですが、スタッフを定着させていくには、人間関係が良く、給与・待遇面でも働きたいと思える職場環境を作ることが必要となります。
スタッフの離職に悩む先生へ
本記事は、クインテッセンス出版より6/10発売の「お金と人で悩まない歯科医院経営の原則」の「第4章 人材育成と採用の原則」を参考に書かれています。
本記事が少しでも参考になった先生には、ぜひ書籍を手に取って頂きたいと思います。採用面接の考え方や面接時のチェックリスト、教育方針も記載されています。同時に、スタッフの離職問題だけでなく、医院の組織づくり、医院幹部の育て方など、歯科医院の「人」に関するすべての悩みに対する回答が記載されているため、医院経営の羅針盤になります。
書籍の内容を実践することで、スタッフの採用・定着に悩まず、仕事に忙殺されず、自由な時間を手に入れながらも、医院規模拡大に導きます。 出版を記念しまして、先着1,500名限定に無料進呈をしております。
郵送費も無料となっております。
この機会をご利用し、よりよい未来のある医院を作って頂ければ大変うれしく思います。
主要目次 ※一部抜粋
  1. 1)歯科医院を取り巻く時流の変化
    • ・人口減が医院経営を大きく変える
    • ・生活者の歯科医院に対するニーズの変化
    • ・現代の若者の価値観を知る
  2. 2)経営の原則を医院経営に落とし込む
    • ・診療と経営の違いと共通点
    • ・成功する経営資源の投資順番とは
    • ・経営の一番の目的とは
  3. 3)医院規模の拡大戦略と生存戦略
    • ・医院規模1億円突破の心構えと戦略
    • ・医院規模2億円突破で叶うこと、成長戦略
    • ・売上5億円突破の意義と戦略
  4. 4)人材育成と採用の原則
    • ・全スタッフを幹部候補として採用育成する
    • ・モチベーションを高めようとしてはいけない
    • ・技術より仕事に対する考え方を先に教育する
  5. 5)マーケティングに強くなる
    • ・患者様から選ばれる医院づくり
    • ・ホワイトニングは予防歯科の入口
    • ・歯科医院としての優良立地の原理原則
出典 *1 歯科衛生士の勤務実態調査報告書 令和2年3月 *2 令和元年度~令和2年度 歯科衛生士の働き方と早期離職予防に関する調査 田野 ルミ 国立保健医療科学院生涯健康研究部 主任研究官 *3 歯科衛生の人材確保・復職支援等に関する検討会報告書 平成29年6月
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