2月20日、「尊厳死法制化を考える議員連盟」の総会が、衆院第二議員会館内で開催された。一般マスコミ関係者が取材する中で論議された。冒頭、増子輝彦・会長(民主党シ衆院議員)は、「久し振りの開催になることもあり、残念ながら、当初からのメンバーは減りましたが、残ったメンバーを中心に進めていきますが、同時に新たに関心をもっていただいた新たなメンバーの入会を待っています。さて、改めて党派を超えての議連として、慎重に議論をする中で、ある時期には方向性を示していかなくてはと思っています。委員の先生方には忙しい中の出席された委員の方々には、建設的な議論を期待しています」と意欲を示した。
続いて、山口俊一衆院議員(自民党"尊厳死に関する検討プロジェクトチームPT"=座長)は、党内議論を進めていかなくてはならず、ますは、自民党として意見集約していこうと思っています。PTが土台としているのが、自民、公明、民主、日本維新の会、みんなの党など超党派で作る「尊厳死法制化を考える議員連盟」(会長・増子輝彦民主党参院議員)が昨年まとめた、尊厳死を認める法案。要旨は、法案は、15歳以上の患者を対象に、書面などで意思表示(いつでも撤回可能)した場合、2人以上の医師が回復の見込みのない終末期との判定で一致すれば、延命治療を始めずに尊厳死を認める内容だ。医師は法的にも行政的にも責任を問われない。さらに、「治療中の患者の延命措置を中止することも認める」第2案もまとめている。今回、「終末期の医療における患者の意思の尊重に関する法律案」(仮称)の第1案と第2案を資料配布して事務局が説明をした。
論議に入ると羽生田俊・参院議員(自民党)が挙手し意見を求め、「法制化する意味は理解できない。すでに、終末期医療のガイドラインが出ています。慎重に対応することで十分と考えられる。同時に、かつてこの議論をした際に、多くの障害者団体から抗議を受けました。その指摘は、"障害者を見捨てる、切り捨てることになる。そういう人たちは早く死んでくれということになる"というものでした。まだまだ、国民への説明・理解が足りない」と強調していた。
続いて、西村まさみ・参院議員(民主党)が法律案の第2条「終末期医療は、延命装置を行うか否かに関する患者の意思を十分に尊重し、医師、薬剤師、看護師その他の医療の担い手と患者及びその家族との信頼関係に基づいて行なわれなくてはならない」について、西村議員は「担い手に"歯科医師"は入らないのですか、入るのですか。どうなのですか」と詰問した。これに対して山口衆院議員から「入るはずです。口腔がんも関係してきまので。確か歯科医師会にもヒアリングをしていますので、文言として入るはずです、配布したこの法律案の文章には明記されていませんが」と困惑した様子をしながら回答。
西村議員は「ご承知のことかと思いますが、歯科医師は死亡診断書を書くことができます。歯科病院にいつ患者もいます。特に、"患者の意思を十分に尊重し"という文言があります。であれば、歯科医師が担い手になることは当然だと思っています。宜しくお願い致します」と確認すると増子会長は「ご指摘の通りで、まだ案の段階ですので文言を加筆修正できますので、了解しました」と説明、山口衆院議員も「党内議論でも指摘しておきます」とした。
その他、出席議員から意見が出され後、増子会長の「法案が議員立法でいきたいと思っています。各党が党内で詰めた案を、各党が理解できるように集約していくことになるので、きるだけ早く次の会合を設けたいと思っています。桜の花が咲く時期なのか未定ですが、事務局からも可能な限り催促がありますので、その点を踏まえて決めたい」とまとめ総会は終えた。
出席した議連議員本人は20 名足らずであったが、石川昭政・衆院議員(自民党)、武見敬三・参院議員(自民党)、丹羽雄哉・元厚生大臣(自民党・中途退席)など厚生関係議員が出席、議員代理出席の秘書は資料を受け取り、議論を聞き入っていた。西村議員は「自民党の歯科医師は6名いるのに出席ゼロ。理解できません。これは大事なことです。誰かが言うのを待っているのではなく、当事者なのだから歯科医師が指摘しなくてはダメなのです」と改めてオクネットに指摘していた。
議連は自民、民主、日本維新の会、公明、みんなの党など与野党の国会議員約140人で構成。2005年に発足し、尊厳死について議論してきた。
自民党は昨年12月に「尊厳死に関する検討プロジェクトチーム(PT)」を発足させ、法案が必要と判断。各党に今年の4月までに議論を終えるよう要望する方針で、5月の国会提出を想定している
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