岡山県でフッ素塗布広がる-3歳児は7割経験

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山陽新聞岡山医療ガイド 2014年2月3日(月)16時31分 岡山県内フッ素塗布広がる 3歳児は7割経験、地域で温度差も 虫歯予防を目的とした未就学児の歯へのフッ素塗布が岡山県内で広がりを見せている。 塗布経験のある3歳児は2012年度で7割に達し、データが残る04年度(42.4%)の1.7倍に増加。 歯科検診などを通じた各市町村の指導が背景にあるとみられる一方で、習慣付けや就学後のフォローを含め、地域や保護者の意向で温度差も浮き彫りになっている。 昨年末、岡山市北ふれあいセンター(同市北区谷万成)で開かれた市主催の「子どもの歯の相談」。 歯科医師の検診後、有料でフッ素塗布が行われ、訪れた30組ほどの親子の大半が塗布を受けた。 同市は1歳から就学前の幼児を対象に、歯の相談を市内6保健センターで2カ月に1回ずつ開催。希望すればその場でフッ素塗布も受けられる。 「子どもが歯磨きを嫌がり、手入れが大変だから念のため」と1歳の長女と訪れた母親(30)。 別の母親(35)は「虫歯を防げるのなら防ぎたいのが親心。歯科検診と一緒にできるなら続けたい」と話した。 厚生労働省によると、フッ素は飲食時に溶け出したカルシウムやリン酸の沈着を促し、歯の質を強くして酸から歯を溶けにくくする効果がある。 濃度の濃いフッ素を歯に直接塗ったり、薄めたフッ素水でうがいする方法などがある。 県の調査では、3歳児のフッ素塗布経験率は年々上昇し、12年度は70・1%。 これに反比例するように、3歳児の虫歯有病率は同年度20・1%と過去最低を達成。 04年度の29・1%から9ポイント減り、20年前の1992年度(59・7%)からは3分の1まで減少した。 岡山、倉敷など19市町村では検診時などにフッ素の塗布事業が定着。経験率の増加は、各自治体による有効性の情報提供や、保護者側の虫歯予防への関心の高まりがあるとみられている。 高い予防効果が期待されるフッ素塗布だが、取り組みは自治体によってまちまちだ。 3歳児の塗布経験率でみると里庄、久米南、奈義町が100%とする半面、真庭市、吉備中央町などは4割ほど。 数カ月から半年に1回の塗布が効果的とされるが、「1回やれば大丈夫と誤解する保護者もいる。正しい知識の啓発が必要」と岡山市の担当者。 虫歯は永久歯に生え替わる就学後に急増する傾向があるが、児童・生徒に関する10年度の県調査では、医療機関でのフッ素塗布経験率は3割程度。 家庭でのフッ素水によるうがい実施率も8%ほどにとどまり「保護者の認識に委ねられるところが大きい」(県健康推進課)のが実情だ。 普及を図ろうと、県は本年度から「フッ素洗口モデル事業」をスタート。 学校現場で医薬品を扱うことへの抵抗感などがネックの一つとみて、同事業ではあらかじめ薄めたフッ素水を配布する。 県健康推進課は「フッ素は虫歯の予防効果も安全性も高い。行政がきっかけをつくり、生涯続けられる予防法にしてほしい」としている。
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