朝日新聞 2013年12月5日09時16分
侵入した細菌などを細胞が分解して排除する際、細菌を見分ける「目印」となる分子を、東北大や東京医科歯科大の研究グループが見つけた。
細菌感染症やアルツハイマー病などの治療につながると期待される。
11月21日付の米科学誌「モレキュラーセル」(電子版)に発表した。
細胞内には、特定の小器官が、不要なたんぱく質を栄養にしたり、入り込んだ細菌を異物とみなして分解したりする「オートファジー(自食作用)」という仕組みがある。
しかし、異物を見分ける仕組みは、一部しか解明されていない。
東北大の有本博一教授(化学生物学)らは、異物が侵入すると細胞内で増える「8―ニトロサイクリックGMP」という分子に着目。この分子がとりついて異物であることの目印が付いた細菌を小器官が分解、オートファジーが進むことを突き止めた。
(福島慎吾)
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