ビスフォスフォネート患者に対する口腔管理

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日本健康医療学会総会・第6回学術大会(大会長:近津大地さん)が11月23日、東京・新宿区西新宿の東京医科大学病院6階臨床講堂で開かれた。 今回のテーマは 「チーム医療を通して口腔の健康を考える」。 https://www.youtube.com/watch?v=UbRXl_o-Bfw 大会の主旨:近年、医療の質や安全性の向上及び高度化・複雑化に伴う業務の増大に対応するため、多種多様なスタッフが各々の高い専門性を前提とし、目的と情報を共有し、業務を分担するとともに互いに連携・補完しあい、患者の状況に的確に対応した医療を提供する「チーム医療」が様々な医療現場で実践されております。 我が国の医療は非常に厳しい状況に直面しており、医学の進歩、高齢化の進行等に加えて患者の社会的・心理的な観点及び生活への十分な配慮も求められており、医師や看護師等の許容量を超えた医療が求められる中、チーム医療の推進は必須です。 口とからだ全身の健康は密接につながっていることから、健康づくりに関わる者と歯科に関わる者たちがお互いの分野を学び交流することを目的に開催いたします。 シンポジウム「ビスフォスフォネート患者に対する口腔管理の長期戦略」 などが行われた。 演者: ①松尾 朗(東京医科大学医学部口腔外科学講座准教授) ②岩本潤(慶応大学医学部スポーツ医学総合センター講師) ③河野範男(東京医科大学病院乳腺科教授) 座長:金子忠良(日本大学歯学部口腔外科学講座准教授) ------------------------------------------- <参考> ビスホスホネート系薬剤による治療を受けている患者において、投与経路によらず顎骨壊死・顎骨骨髄炎があらわれることがある。 報告された症例の多くが抜歯等の歯科処置や局所感染に関連して発現している。リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往等が知られている。 本剤の投与にあたっては、患者に対し適切な歯科検査を受け、必要に応じて抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置を投与前に済ませるよう指示するとともに、本剤投与中は、歯科において口腔内管理を定期的に受けるとともに、抜歯等の顎骨に対する侵襲的な歯科処置はできる限り避けるよう指示すること。 また、口腔内を清潔に保つことや歯科受診時に本剤の使用を歯科医師に告知するなど、患者に十分な説明を行い、異常が認められた場合には、直ちに歯科・口腔外科に受診するよう注意すること。 特にBP製剤投与患者への対応について、ビスフォスフォネート関連顎骨壊死検討委員会のポジションペーパーに基づき、歯科における外科治療における休薬ガイドラインの説明をした。 その中でBP製剤投与と全身的な複合的リスクファクターの関わりが提示され BP製剤投与患者への対応 顎骨壊死に関しては、ビスフォスフォネート系薬剤の投与を受けている患者さんの顎骨壊死・顎骨骨髄炎に関する注意のお願いに詳しく記載されている。ビスホスホネート製剤を使用する前には、必ず、口腔内のチェックをすることが義務づけられたことになる。幸い、当院には附属歯科がある。大腿骨頚部骨折患者のリハビリテーションにおいては、抜歯が必要かどうか判断してから、投薬を行うことを心がけている。なお、ビスホスホネート製剤内服中の患者が抜歯などの侵襲的治療を行う場合には、3ヶ月間の休薬が求められる。 骨粗鬆症治療薬として、ビスホスホネート製剤の重要性は増している。 しかし、使用上の注意が煩雑である。骨粗鬆症を専門的に取り扱う診療科以外は、扱いに苦慮する薬剤といえる。 ------------------------------------------ 一般社団法人日本健康医療学会 理事長 佐藤元彦 平成20年10月26日、日本健康医療学会の設立大会がグランドプリンスホテル赤坂にて開催され、当日の総会において私が理事長に選出されました。 また、かねてより申請中の法人化についても平成20年11月12日付けで有限責任中間法人日本健康医療学会として正式に認可されましたが、その後、平成21年11月22日から一般社団法人日本健康医療学会へ変更されたことをご報告いたします。 この学会は、近年、社会における健康への関心が非常に高まっていることを受けて発足したものであります。 医療は、単に疾病を予防・治療するだけではなく、いわゆる末病といわれる状態から脱し、健康を維持増進させ、明るく健康的で文化的な生活を送るためにはどのように対応すればよいか、という人間が求める根源的な方向へと変わりつつあります。 そのため、生活習慣病、末病ならびに健診などを含めた、健康医療を学際的に追究する新しい医療の構築が求められてきております。 このような背景から、これまでの専門領域を越えた広い活動を行うために、医師や歯科医師のみならず、健保組合、企業などを含めた健康に関連する幅広い分野の医療関係者の有志により、健康医療、生活習慣病、末病、健診など、予防を中心に新しい医療を積極的に推進することを目的とした「日本健康医療学会」が発足しました。 本学会の目的を達成するためには、前述のような医療関係者の連携・協力が必要不可欠であり、また、学会である以上、学問的にも臨床的にも広い立場で研鑽していくことが望まれることと思います。 今後は、学術大会や各種セミナー、研修会などを通して、健康医療に関連する啓蒙や情報提供を積極的に行う必要があります。さらに医師、歯科医師、医療関係者の資質の向上を図るためにも、たとえば健康医療専門医、健康医療コーディネーター、生活習慣病指導医、生活習慣病コーディネーターの資格など、さまざまな認定制度が必要であると考えられます。 以上、これからの本学会の方向性を申し上げるとともに今後とも皆様のご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
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