帝国データバンクの調査が10月13日、明らかしたところによると、2009年度上期(4〜9月)に倒産した医療機関と介護事業者の数が半期としては過去最高の計50件。負債総額は計228億円で前年度上期の1.4倍。 診療報酬改定の影響や介護報酬の引き下、競争激化などで経営が悪化、資金繰りが行き詰まったケースが多い。 景気に左右されにくい業種とみられていたが帝国データは「学校法人の倒産も増えており、金融機関の不良債権処理が公的な業種にも及んできた傾向が見られる」と分析している。 調査は、9月に民事再生法適用を申請した医療法人「博愛会」(神戸市)など法的整理の事例を集計。 だが自主廃業も含めると「実際に消滅したのは数倍以上に上る」(関係者)とみられ、地域の医療・介護サービス低下は一段と加速する恐れが指摘されている。鳩山政権は医師数増加などを掲げているが、経営体力が弱い中小の医療機関などへの支援も急務だ。 医療機関の倒産は30件で前年度の約2倍。 比較的規模の大きな病院の倒産は減少傾向だが、施設数増で競争が激化する診療所や歯科医院の破綻が増えた。 訪問介護や老人ホームなどの介護事業者の倒産は20件で約1・5倍。こちらも新規参入増で価格競争が激しかった。 なお、これまでの年間最多は08年度の66件。介護報酬が3.0%引き上げられたことを受け、増収見込み。一方で、改善が進まない人材不足問題など、不安材料も。
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