iPS細胞から歯の再生技術の開発も試みている

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東北の研究者、さらなる進歩期待 山中教授ノーベル賞受賞

 河北新報 10月10日(水)6時10分配信

 

 京都大の山中伸弥教授がノーベル医学生理学賞を受賞したのを受け、9日、東北の研究者からも称賛の声が相次いだ。

  山中教授が奈良先端科学技術大学院大(奈良県生駒市)に在職していた時から交友がある東北大大学院医学系研究科の大隅典子教授(神経発生学)は「同じ幹細胞の基礎研究者として本当にうれしい。多くの若者に生命科学をかっこいいと思ってもらい、研究仲間を増やしたい」と喜んだ。

  iPS細胞は体のあらゆる細胞になり、再生医療が実現する。

  がん化する可能性を排除することが臨床応用のカギ。

経過観察が比較的容易な目は、研究の大きな前進が有望視される分野の一つだ。

同じく東北大大学院医学系研究科の中沢徹教授(眼科学)は「国内では臨床研究が視野に入った。目を入り口に細胞活用が広がるだろう」と期待した。

  患者の細胞からiPS細胞をつくって病状を再現し、新薬を試せば治療を手助けできる。

中沢教授は「日本発の技術なので国を挙げて後押しし、世界をリードする分野にしたい」と話した。

  再生医療や研究にiPS細胞を供給する取り組みも進みそうだ。

日本小児歯科学会は、iPS細胞の基になる歯髄幹細胞の培養技術の普及と、子どもの乳歯を大学病院で保存する仕組みの導入に力を入れている。

  学会の常務理事でもある東北大大学院歯学研究科の福本敏教授(小児発達歯科学)は「乳歯は細胞が若くて遺伝子の傷が少ない。抜けると捨てられていたものも活用できる」と利点を挙げる。

  福本教授は、iPS細胞から歯のエナメル質を作る細胞を発現させるなど、歯の再生技術の開発も試みている。「ノーベル賞を励みに、さまざまな研究者が参入できるよう、歯髄幹細胞の供給体制も全国に広げたい」と話した。

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最終更新:10月10日(水)6時10分

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