日刊工業新聞 2013年10月3日
鳥取大学農学部の薮田行哲准教授は、神経伝達物質として知られるセロトニンに、虫歯の原因となるバイオフィルム(菌膜)の形成を阻害する作用があることを見つけた。
口腔内で細菌が付着する場所となるバイオフィルムは、ミュータンス菌が不溶性グルカンを生成することで形成される。
セロトニンにはミュータンス菌のグルカン生成を阻害する作用があると考えられる。
薮田准教授は、ミュータンス菌が糖をもとに不溶性グルカンを生成する過程に着目。食品などに含まれている安全な物質から、不溶性グルカン生成を阻害する物質をスクリーニングした。
その結果、約34種類のポリフェノールに不溶性グルカン生成を阻害する作用があることを特定。これらのポリフェノールに共通の構造骨格として、セロトニンが存在することを見つけた。
ミュータンス菌を含んだ溶液にセロトニンを混ぜて1〜2日間放置し調べたところ、バイオフィルムの形成量が約2割減少した。
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