顎の骨と頬骨を削り顔の骨格構造を組み直す両顎手術

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顎削り副作用続出の原因とは

 朝鮮日報日本語版 11月6日(火)10時56分配信

 

 両顎手術を受けた後に副作用を訴える人が相次いでいる。同手術を受けた23歳の女子大生が先月、副作用のため自ら命を絶つという悲劇も起きた。

この女子大生は「手術後に顎が曲がり、涙腺が詰まって涙が止まらないという副作用が起きて、とてもつらかった」と書き残していた。こうした現象について、整形手術の専門家たちは「先に両顎手術・後で歯列矯正」という医学的に検証されていない韓国独特の手術方法が招いた結果だと話す。

また、両顎手術の流行できちんと研修・訓練を受けていない医師たちが多数、こうした手術を手掛けるようになり、副作用が増えているとも述べた。

 

 顎の骨と頬骨を削り顔の骨格構造を組み直す両顎手術の手順は「先に歯列矯正・後で手術」が原則だ。

約1年をかけて手術前に矯正治療をして歯の位置を整え、それが定着してから顎の手術をするのだ。

土木工事で言えば土台を十分に固めてから骨組みを作るのと同じだ。

 

 しかし、両顎手術を手掛ける整形外科・歯科のホームページを見ると、どこも例外なく「先に手術」を掲げている。

例えば、受け口ならまず下顎を一部切り取り、内側に移動させればたちまち見た目が良くなる。

その後、約1年にわたり歯列矯正で歯並びを整えるのだ。

患者は手術を受ければすぐに顎が引っ込んだ状態になるので、先に手術をする方を希望する。

 

 ところが、この方式は副作用が出る恐れがある。

歯と顎の関節の筋肉は受け口であるもともとの状態に合わせて並び、かみ合うようになっている。

それなのに手術でいきなり顎の骨の位置が変わってしまうと、口腔(こうくう)構造の急激な変化で筋肉と歯が大混乱に陥るからだ。

  手術後の顎がどちらに曲がるのか予測するのは容易でない。

顎の骨と顎関節を包む筋肉はバラバラに動くためだ。

これを手術後、歯にワイヤーを取り付けて位置を変える矯正治療できちんと整えるのは難しい。

 

 また、手術の腕が十分でない医師が緻密な計算や予測もなく顎の骨を切るため、副作用が起こることもある。

このため、両顎手術後に不正咬合(こうごう)を訴えたり、顎が曲がったりして訴えられる医療訴訟・紛争が絶えない。

 

 現在、韓国で行われている両顎手術の約80−90%は「先に手術」方式だ。すぐに外見が良くなるという効果の裏に隠されたこうした事実は、外国では見られない奇妙な現象だ。「整形共和国」韓国の「パルリパルリ(早く早く)病」と何としてでも患者を集めようとすぐに顎を削ってしまう医療商業主義が重なった弊害だ。

 

 両顎手術は年間約5000件と推定されている。

ソウル大学付属歯科病院のキム・ミョンジン院長(口腔外科)は「歯学の教科書には先に矯正治療を十分に行い、その後に手術をすべきだと書かれている。欧米で『先に手術』をするケースは珍しい」と話した。

 

 だが、一部には「先に手術」方式の発達により副作用を最小限に抑えられるようになったと主張する人もいる。

最近は口腔構造を立体的に分析でき3次元コンピューター断層撮影装置(CT)撮影が進歩、事前に手術後の歯や顎骨の移動方向がある程度予測可能になったという。

キム・ヨンジュン矯正歯科専門医は「CT分析と経験豊富な手術医がいれば『先に手術』をしてもいいケースが増えている。

最近は手術前に短期間、矯正治療をする『最小限の先矯正』方式も導入されている」と話している。

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