避難所に入り、生活の場から歯科的要望を引き出す

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東京歯科保険医協会第23回メディア懇談会は、既報のとおり4月15日、開かれ、藤野健正広報部長の司会進行で、はじめに森元主税副会長が、「東日本大震災の対する歯科医療支援」で報告した。

4月8日〜10日に、森元副会長、馬場理事、小杉事務局長が宮城県の東松島市、石巻市しなる避難所2か所とデイケアセンターなどの歯科医療支援を行った。

 「保健師さんがずっと対応してくれたが、映像で見た以上に悲惨な状態であった。子どもが多かったが、前からだと思うがう蝕が多かった。13人に対し、必要な処置を行った」と述べ以下報告した。

宮城県内では8名の医師・歯科医師(保険医協会会員4名)が行方不明と紹介された。

デーサービスセンターでは入れ歯が割れた人がいた。

保健師によると、震災後は内科系の訴えが強かったが、最近は口腔もあるという人が増えはじめていた。

東松島市全体で2歯科診療所が再開しはじめたところであったが、避難所には歯科支援は入っていなかった。

10日には石巻市河北地区に避難している河北総合センター(ビッグバン)を視察した。

避難者は538人で看護師2名が常駐していた。

最初は訪問しても歯科受診には結びつかない。

3時間単位での訪問だったが、はじめは要望を聞くだけと思っていたが、入れ歯の「不調を訴える人もいて25人の診療ができた。

地元の歯科医師会、保険医協会の歯科医師との協力もあった。

2階の部屋に歯科治療をする場所を設けてたが、放送で呼びかけても当初は誰も来なかった。

そこで看護師と協力し声をかけて回った。

その結果のべ12名ほどの患者を診たが、ほとんどが高齢者であった。

症状は義歯破損、脱離冠の再装着などで、かぎられた歯科材料のなかで、求められる急性的な措置を行った。

なかには「入れ歯はなくしたから」とあきらめている人もいた。

道具を持っていかなかったので、入れ歯の作製はできなかった。

3月11日の状況を尋ねたが、「声をかけて話をすることが、被災者のストレスを解消されるとも感じた。

行く前の事前の情報では、歯ブラシが足りないなど色々と言われたが、1日経つと必要なもの情報が全然違っていた。

そこで、支援に行く前に現地にいる人との連絡が必要と思った。

ライフラインの状況であるが、泊まった仙台市内では電気、水道は復旧していたが、その他の地域では、電気は復旧しているが、東松島では水道がでていないところがった。

1日目はガスがまだであったが、2日目から復旧した。

歯科医療支援については、歯ブラシが行きわたっている状況であり、義歯修理や調整、急性歯肉炎、歯周病、歯髄炎などの症状と対処が多かった。

今後はそうした歯科材料、歯科機器、医薬品のセットをコンパクトにして持っていくことが必要だ。

行政や地元の歯科医師に事前に連絡を取り、避難所に周知する。

避難所に入り、その生活の場から歯科的要望を引き出すことで、歯科的対処につながると思われる。

以上、森元副会長が報告したが、2回目の歯科医療支援も行う予定であった。

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