近所の歯科医が通報していた虐待死亡事件

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東京都江戸川区の両親による小1長男の海渡君(7)に対する虐待死亡事件。

近所の歯科医師が昨年、「虐待の疑いがある」と区に通報、学校側も家庭訪問して暴行があったことを確認していた。

長男は、搬送病院で、1月24日に死亡した。

 両親は電気工の岡本健二容疑者(31)と妻の無職、千草容疑者(22)。

海渡君は、15歳で生んだとされる千草容疑者の連れ子。

歯科医が通報していたが、区や学校側の対応でそれが活せかなかった。

江戸川区によると、昨年9月14日、岡本容疑者宅の近くの歯科医が、海渡君の左ほおと両脚にあざがあるのを発見。

海渡君は、「パパにぶたれた。ママは見ていて何も言わなかった」と訴えていた。

そこで歯科医師は「虐待の疑いがある」と同区子ども家庭支援センターに電話で告げていた。

家庭支援センターは、海渡君が通っていた区立松本小に連絡したのだが・・・

 

<歯科法医学>

虐待の創傷検査などの歯科法医学実務、虐待診断、臨床歯科法医学の立場から、子ども虐待やドメスティック・バイオレンスの歯科法医学的診断、身体的虐待やネグレクトの発見・防止・支援などの実践法についても研究を進め、併せて啓発活動を行っている。

◎発表分野

個人識別・身元確認/DNA多型/歯科医事法・医療安全/虐待と歯科

物体検査/警察歯科

 

<参考>

歯科医の重要な役割として近年、注目されているのが児童虐待の早期発見だ。 口の周りが切れたり、歯が欠けるといった外見的特徴のほか、虫歯でないのに歯が変色していれば、過去に殴られるなど強い衝撃が加えられた可能性が疑われるという。 東京都歯科医師会が平成14年度に、虐待を受けた12歳以下の170人を対象に歯の状態を調査したところ、虐待児童は一般児童より虫歯が多く、未治療の傾向が見られた。 調査によると、6歳未満の虐待児童の47.6%に虫歯があり、都内平均20.9%の2倍以上。虫歯の数は都内平均0.9本の3倍以上の約3本で、未治療は約半数にのぼった。

特にネグレクト(養育放棄)の児童は、ほかの児童と比べて虫歯所有率は約8ポイント、本数は約2本、未治療の虫歯所有率は約7ポイント高かった。 身体的な児童虐待は服を脱がせないと発見が難しい場合もあるが、12歳以下の児童は、自治体や小学校で定期的に行われる歯科健診で早期発見が期待されている。 学会関係者は「歯科医も診察時に虐待の有無を視野に入れ、行政や捜査機関への通報、保護者の子育て支援について考えないといけない」と話す。

 

日本歯科法医学会の初代理事長に就任した小室歳信日大歯学部教授は「歯科衛生士や歯科技工士、法曹関係者も参加してほしい」と呼び掛けている。

 

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