第13回 Er:YAGレーザー臨床研究会 中)
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第13回 Er:YAGレーザー臨床研究会が8月8日、東京・千代田区丸の内の東京フォーラムB5で開かれ、290名余が参加した。
2008年の4月から保険に、無痛的ウ蝕除去加算としてEr:YAGレーザーによる硬組織(歯の)切削が20点(200円)認められ、注目された。
また、2010年4月には、手術時歯根面レーザー応用加算40点が新たに導入された。(レーザー照射による歯石除去など)
特別講演「歯科治療とEr:YAGレーザー」東京医科歯科大学大学院和泉雄一教授、臨床講演「Er:YAGレーザーの臨床応用は再生治療の予知性を上げる」吉野敏明さん(神奈川県横浜市開業)、シンポジウム「歯周ポケット治療におけるEr:YAGレーザーの使い方、有効性」が行われ、ディスカッションでは参加者の質問の各講師が答えた。
また、各分野の専門家に意見を求めた。
<ディスカッション>
(敬称略)
座長:東京女子医科大学招待教授 石川烈
埼玉県川口市開業 篠木毅
石川烈
レーザーの保険導入に対して、特に大変ご活躍になられたので、まず、吉江弘正先生のコメントをいただき、ディスカッションに入っていきたい。
吉江弘正(新潟大学大学院教授)
このたびの保険収載に関して、日本レーザー歯科学会と日本歯周病学会が関わったが、現在、私は医療委員長をさっせていただいている、そこで出させていただいた。
先生方にはご不満もあろうかと思うが、加算の点数は40点で収載となった。
入ったのは小さいが、これを段々大きくしていくという方向であり、保険収載は大変大切であり、それが国民の健康に寄与するということだ。
そこで、引き続きよろしくお願いしたいと思う。
やはり、問題となるのは安全性と有効性だ。
ここに参加されている先生方は問題ないと思われるが、安全性に関して各学会、各研究会、そして歯科企業との連携のなかで確りとした講習が行われ、安全性と有効性の点で規格化をする。
学会、臨床、企業の連携で一つの構築(安全性と有効性で)ができれば非常によろしいのではないか、そのように感じている。
石川
大変短い時間のなかで、大切なことを言っていただいた。
渡辺先生の発言をお願いしたい。
渡辺久(東京医科歯科大学大学院准教授)
私はこのEr:YAGレーザーの開発当初から携わらせていただいたが、不満もあろうかと思うが、今回保険収載されたことで、今まで一緒にやってきた者として非常に嬉しく思っている。
日本の医療は保険に導入されてなんぼ、ということがあると思う。
やっとレーザーが歯科医療の分野で認知されたということだ。
私は歯周病を専門にやってきたのであるが、歯周治療はバイオフィルムを如何に取るかということに尽きると思う。
バイオフィルムを取るためには、根こそぎとることが大前提だ。
その場合、まさにレーザーが活きてくると思う。
今までは歯周治療は非常に面倒くさい、時間がかかるという点があった。
先生が先頭に立つのではなく、全国の多くの先生方は歯科衛生士に投げかけていたのではないかと思う。
レーザーを使っていただければ、スケーリング、ルートプレーニングなど今までの手用スケーラーでは難しかったが、かなり容易できる。
その点では、保険収載を機会にレーザーを使った歯周治療が全国的に広がれば、非常に国民のためになると思っている。
また、Er:YAGレーザーの持っている無毒化が評価されるので、歯周外科でも非常に有効なので、これからお使いになったらと思もっている。
津久井明(神奈川県横須賀市開業)
私は歯科治療専門医ではない。
開業医としてEr:YAGレーザーを使い始めて約6年になる。
その間に、ここにおられる先生方を含めて多くの先生との出会いがあって、多くのことを教わった。
開業医にとって大切なことが、すべての治療を網羅することだ。
そこに、このEr:YAGレーザーが多くに関与をしてくれることは、開業医にとってありがたいことだ。
保険の収載で、齲蝕の加算、レーザー照射による歯石除去などの加算、歯周外科手術時歯根面応用加算が下りたということは、確かに点数的な不満は多々あるのかもしれないが、この道を歩んで来て良かったなと思っている。
歯周治療が得意ではない私にとっても、歯周治療をある程度満足できるように導いてくれたEr:YAGレーザーを、多くの先生方が応用していただければと思っている。
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