日本歯科医師会の今後の歯科医療のあり方を考える有識者会議「生きがいを支える国民歯科会議」(議長・大島伸一国立長寿医療研究センター総長)は11月3 日、これまでの論議を提言にまとめ、大久保満男会長に提出した。
歯科医療の真の意義とは何であるのか?歯と口の機能(口腔機能)は、「食べる」「会話する」を始め、生涯を通じて生命や日常の生活に深く関わる。
歯科医療の意義や在り方を国民と共に考えたい。その思いから、食や健康にかかわる分野の方々、医療、経済、文化、ジャーナリズムを代表する多方面の有識者など、によって構成する会議を開催してきた。。それぞれの立場で、歯科保健・医療について意見を述べてもらい、それを国民に発信していきく、としていた。
平成21年8月26日に第1回会議を開いた。
<主な視点>
1)生活の医療のリーダーである歯科
2)食べる力とは、自分の食べ方をマネジメントする力と、食べ物をよく噛んで、消化して、エネルギーをつくる力で、それが生きる力を支える。
3)社会貢献活動によって歯科医師の社会における信頼度をより強固なものにしていく。
4)歯の本数と医療費の相関関係。
歯が減れば減るほど医療費が高くなるという相関関係、非常に有意義なデータがある。
5)高齢者向けの歯周病に関連したケアの提案はまだまだ十分ではない。
6)40代、50代から64 歳までの4,443 人の5年間の追跡調査では、歯茎の腫れやむし歯がない人ほど生存率が高いということがわかってきている。口腔ケアは全身ケアの極めて重要な導入口になり、命を延ばすだけではなく、要介護の予防にもなる。
7)全身ケアの大切さということから、医科との連携が必要だ。
8)口の中は歯のみならず、歯肉もあれば、舌もあるが、口腔がんを見つける最先端にいるのは、やはり歯科医師。
がんの早期発見のためにも、ぜひ8020運動の中に、そういった要素も入れていただきたい。
9)健康のバロメーターは口の中にあるのではないかと思っている。
咀嚼できないと、本来、食べ物が持っている味を感じられないと思う。
10)提案したいキーワードは「格差」だ。
地域格差ということもあるが、世代間格差、それから性別間の格差を踏まえて、論議したい。
11)「食」は、「食生活」でなければならない。食は命であり、食べ方は生き方の問題だ。
12)現在は高齢者の低栄養の問題も大事になってきている。
食生活改善の活動について、も連携しなければならない。
14)健康で食べていただくということが、実は豊かな生活につながるといる。
15)糖尿病、抗がん剤使用患者に集中した治療、正しい知識の普及をするために"口腔弱者"のコンセプトを固め、歯科医師の方々あるいは国民にそれを広めて欲しい。
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