瀬戸大橋から飛び降り自殺未遂と矯正歯科治療

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日本臨床矯正歯科医会

平成21年度2月例会から

症例展示

顎顔面外傷に対する矯正歯科治療の一例

キーワード:外傷、骨延長、骨移植

緒言:瀬戸大橋から飛び降り自殺を計り、救急処置後に矯正歯科治療を行った経験を報告する。

症例の概要:全身多発外傷を伴う顔面多発骨折(左前頭骨・頬骨・上顎骨骨折、下顎開放粉砕骨折)および歯槽堤欠損を伴う多歯欠損を認めた。

医科各科および口腔外科で整復固定、骨延長、骨移植を行った。

矯正歯科受診時には自立歩行は可能で、顎顔面および口腔内の創傷は瘢痕を伴って治癒していた。

上下顎共に叢生を認め、欠損を認める下顎側前歯部には骨延長器が装着、上顎右側小臼歯は骨移植が行われていた。

診断と治療方針:咬合の改善と、欠損歯の回復を目的に、マルチブラケットシステムを用いて歯の移動、欠損歯部分については動的治療期間中にデンタルインプラントで回復することとした。

装置と治療経過:患者の強い希望により、ハーフリンガルで治療を開始した。

セットアップモデルを作製し、インプラントを埋入部位を決定後、骨延長器撤去と同時にインプラントを埋入。

待機期間中に動的治療を行った。

諸事情により、最終的には上顎はラビアルに変更して治療を終了した。

動的治療期間は1年3か月であった。

結果と考察:顎顔面外傷患者に対する治療は、各科とのコラボレーションが非常に重要である。

本症例の場合は口腔外科のみならず医科各科およびインプラント医とのスムーズな情報交換の可否によって治療結果が異なってくると考える。

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