東京歯科保険医協会新点数説明から
3月35日 文京シビック大ホール
<中川勝洋会長の挨拶>
医療崩壊などの社会現象が起きて、マスコミ等を含めて、病院に対する評価を上げるべきだということが大きなうねりとなった。
この結果、医科の改定率は総枠で0.19%(本体1.55%+薬価・材料費▲1.36%)の引き上げだった。
医科 +1.74% 、入院 +3.03%、外来0.31% となった。
歯科2.01%に比べると医科診療所は2%近い開きがあった。
保団連の医科の先生方と話すと、医科の診療所は今回の診療報酬改定に、大変な不満をもっている。
逆にマイナスになっている、という評価をされている。
(後発品のある先発品の追加引き下げで捻出される600億円(▲0.16%)が改定率の計 算に盛り込まれておらず、全体の改定率が実質0.03%にしかならないことが判明した)
薬価改定等:改定率 ▲1.36%
薬価改定 ▲1.23%(薬価ベース ▲5.75%)
材料価格改定 ▲0.13%
5千数百億円が医科の病院の方の貼り付けとなっている。
歯科は一応、600億円という数字になっている。
ただ数字(600億円)の中の7割(66.7%)近くが、残念ながら医科歯科の是正から、初診料、再診料が引き上げられたが、このためには約400億円が必要となる。
また、病院の技術料を引き上げたことから、病院歯科の評価の手当てをされている。
10年前には、1500あった病院歯科は、現在、1100になっている。
どんどん病院の中から歯科が追い出されている状態を、何とか病院歯科の評価を上げてほしい我々もずっと言ってきた。
その点に関して、今回の診療報酬改定はよかった、という部分がある。
再診料も69点になった。
基準を緩めるので、地域歯科診療支援病院はこれまでわずか3件の届けであったが、今後増えると思われるので、初診料は270点を取るこことなる。
つまり、基本診療に関しては、医科歯科の格差があまりなくなるという状態に変わった。
しかし、歯科診療所については、基本診療料の引き上げのために、スタディモデルの包括や歯科疾患管理料の評価が引き下げられるなど、医学的にも根拠のない包括が前回に引き続き強行された。
そっちにほとんど財源が取られて、ほかの技術料の財源がない状態の逆になっている部分がある。
さらに、歯科疾患管理料は、点数の引き下げによって低廉な評価での患者の長期継続管理システムが強められ、患者のための医学管理が、歯科医療機関の犠牲によって行われるという構図がより鮮明になった。
以上のことを我々は危惧している。
そこで600億という数字が、実際に活用されるのか、協会として疑念している。
2.09%の引き上げが、1.4%〜1.5%程度の数字にしかならない、という可能性もある。
そこで、今日の新点数説明をよく聞いて、確りとした請求をしてもらいたい。
また、医学管理で、医科と歯科と一番違うところは文書提供を義務づけられていることだ。
医学管理料が3割近くこれまで切り下げられてきた。
2年前にスタートした今後も、文書の添付、患者さんへの交付を是非やっていただきたい。
東京では協会で添付文書を作成して提供しており、東京の先生方は頑張っていただいている。
残念ながら、東京の外では、それがなかなか普及していない、という現況があり、切り下げられている。
文書の提供をもう一度、考えていただき是非、ご協力を願いたいと思う。
不十分な診療報酬改定であるが、少しでもプラスになるよう、講師団が一生懸命考えて説明するので、今日のお話を聞いていただいた上で、有意義に活用していただければと思う。
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