歯科用アマルガムなど水銀を含む製品規制

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国連環境計画(UNEP)は、水銀の輸出や含有製品の販売を原則として禁じる新たな条約の素案をまとめ、今月24〜28日に千葉市で開く政府間交渉委員会に示す。人の健康や生態系に深刻な被害をもたらす水銀の環境中への排出を減らすため、今後の協議を踏まえて2013年の条約制定を目指す。日本は年間100トン以上の水銀を輸出している。電池や蛍光灯、水銀体温計、鏡なども水銀を含。歯科用アマルガムなど水銀を含む5種類の製品は、製造や販売、輸出入を原則として禁止する。水銀は、主に汚染された魚を食することで曝露する。また、水銀を含むメカジキのような魚を食べる場合も問題。妊娠中の水銀への曝露は子どもの神経学的異常を引き起こすということを示す研究があるので、専門家らは妊娠可能年齢の女性についてより多く心配している。自閉症における水銀・チメロサールの関与はないとしている。なお、全米水銀頭髪調査プロジェクトに関する暫定結果を報告では、髪の毛の水銀レベルと、水銀を含む歯科用アマルガムとの間の関連は見出されなかった。

水銀は、電気・電子機器等の液晶画面のバックライト、サーモスタット(自動温度調節器)、リレー(継電器)などに使用される。EU各国では、廃電気・電子機器の約90%が前処理を経ずに埋立てや焼却されており、埋立場や焼却場からの鉛などによる汚染が問題となっており、将来的に健康や環境に影響が出かねない危機感がある。

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地球規模の健康被害防止のため、締約国に水銀を排出元から断つ対応を求め、(1)水銀の供給と貿易(2)製品への使用(3)環境中への排出−の三方から規制を掛けるのが柱。条約の成否は発効から4年後に評価する。

 条文案は今後各国とNGOの意見を基に修正、肉付けをしていくが、年間約150トンもの輸出を続ける日本も国内対応を迫られる。

 国連が1月24日から千葉市で開く第2回政府間交渉委員会(INC2[インクツー])に提案する。

 条文案骨子は条約の目的を「水銀と水銀化合物の人為排出がもたらす、地球規模の健康被害と環境汚染の拡大を防ぐこと」と規定。

 供給削減では▽鉱山から採掘した水銀と水銀化合物の輸出を認めない▽採掘場の位置報告と条約発行後、一定期間内の閉鎖▽余剰水銀の安全な方法による国内保管−を求める。

 製品への使用削減では、対象を電池、計測器、蛍光灯など照明、スイッチや継電器、歯科用水銀に限定し、製造・販売・流通・輸出を認めない。代替製品導入まで5年間の経過措置も設けるとした。

 懸案の環境排出対策では、大気中への排出量が多い(1)石炭火力発電と産業用ボイラー(2)非鉄金属生産施設(3)廃棄物焼却施設(4)セメント製造工場−の4分野を特定、国が削減計画作る。水・土壌への汚染源として水銀の使用施設、含有物廃棄場、リサイクル施設、金採掘場などを指定、削減と適正処理を促す。

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