歯科技工料問題はどこへ向かうのか?

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日本歯科技工士連盟ホームページから

12月2日(木)午前10時、歯科技工料金問題を話し合うため、川内博史衆議院議員(鹿児島1区)の事務所に関係者が集まり、本会から中西会長と夏目常務理事が出席した。協議は、歯科技工料問題に関して、昭和61年当時から現在に至るまでの中西会長の経緯説明から始まり、それに対する厚生労働省の見解、見解に対しての議員質問、日技の見解という形で進められた。議員からは、"他の法令文書で「おおむね」・「もっぱら」とはどの程度の幅をさすのか。""この大臣告示の意味は何か。""実態把握のため歯科技工料金調査の結果を開示して欲しい。""歯科技工は歯科医療の中に一体として溶け込んでいて明確に分離できないという主張であれば、どこが一体となっているのか、次回は言葉で明確にして欲しい。""一体なら歯科技工は歯科医師が行うべきであり、実態と矛盾しているのではないか。"等様々な質問があった。また、中西会長からは、例えば臨床検査がそうであるように、最終的には医師が判断するものでも点数が明確になっている。歯科技工も、国家資格を持った、国が免許を与えた歯科技工士が行っており、一体という議論は成り立たない。歯科技工価格基準を明確に示し、上限が決まった中での自由競争は止めさせ、国民に良質な歯科医療を提供するようにしなければ、歯科医療は信用を失うであろう。国が責任を持つべきであると強く迫った。なお、川内議員は、この集まりを継続して問題点を見つけ出し、改善していきたいと締め括った。

出席者は以下の通り衆参国会議員 

川内博史衆議院議員・大久保勉参議院議員・橋本清仁衆議院議員・川口浩衆議院議員・西村まさみ参議院議員

厚生労働省 宮原勇治保険局医療課課長補佐・小椋正之医政局歯科保険課長補佐・和田康志歯科衛生係長     (順不同)

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どのように、考えても、歯科技工料金が、自由経済化に置かれていることは、矛盾である。

歯科技工行為は、歯科医療の一部であり、元来、公定価格の診療報酬に位置づけられているはず。

ボタンの掛け違いの形容どおり、"概ね"という文言で歯科技工料金を曖昧にしてしまった。

歯科医師と歯科技工士の力関係は、その意味で対等ではない。

建設業における下請けの立場は従属的であり、歯科技工士の立場そのものを代弁している。

歯科技工業界で若い人材が育たないのは、歯科技工士が歯科医師に対する従属的な関係に置かれているからに他ならない。

それは、歯科医師の責任ではなく、国の不作為の責任である。

極論すれば、歯科医療は、国民の犠牲である自費で、辛うじて成り立っている。

「保険で歯科医療を」

その運動の欺瞞性を、衝く患者サイドの声もあった。

なぜなら、「保険でよい歯を」・保険で歯科医療は、とても無理であり、 歯科医院は経営的に破綻しているのが現状であるのだから・・・ 

補綴料金の安さは、時代錯誤そのまま。

時給に換算すれば、江戸時代の水呑(みずのみ)百姓の立場を想起させる。 

"生かさず、殺さず"それでは、歯科技工士が、 歯科医療の現場から逃げ出すのは必然!

行政の責任による"公務員の職能を反映した・モデル歯科技工所"の建設が期待される。 

 

沼田利根

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