歯科大学・歯学部が連携「口腔医学」の学問体系を確立

歯科大学・歯学部が大きな曲がり角にあり、変革が期待されている。 文部科学省の平成20年度戦略的大学連携支援事業は、どのような方向に各大学を向かわせるのであろうか。 福岡歯科大学(北村 憲司 学長)で開かれた戦略的大学連携支援事業平成20年度SD(スタッフ・ディベロップメント)研修は、各連携校の中核的な職員に対し、問題解決能力向上を目指すことを目的に、開催された。 これは、文部科学省の平成20年度戦略的大学連携支援事業に採択された、福岡歯科大学を代表校とする、九州歯科大学、北海道医療大学、岩手医科大学、昭和大学、神奈川歯科大学、鶴見大学、福岡大学の8大学が連携して取組む『「口腔医学」の学問体系の確立と医学・歯学教育体制の再考』の事業の一環として行われた。 2日間 (2月19日、20日)で参加者は、大学を取り巻く環境の変化や大学から求められている能力・知識を再確認し、これからの大学職員としてすべきことを考える機会であったとともに、北海道から九州までの医学・歯学系大学職員が交流するまたとない機会となった、としている。 なお講演については、連携校の職員が各大学で聴講することができるよう、文部科学省の事業補助金で導入したTV会議システムを利用して連携校に同時配信した。    <参考>     福岡歯科大北村 憲司学長の挨拶      これまで、大学が歯科医療の未来,歯科医師の未来について広く社会にメッセージを発信することはあまりありませんでした。しかし、現在の逼塞状況を切り拓く展望を出せるのは知的集団としての大学以外にありません。 私たちは大学の一員としてこれからの歯科医療、歯科医師の未来に希望が見えるメッセージを発信する責任があるのではないでしょうか。 私たちは歯科医師の皆さん、医療に従事している皆さん、国民の皆さんとともに、協力して、「口腔医学」を掲げ、歯科医師、歯科医療の将来像を提案しています。その中で,私たち一人一人が役割を分かち合い、それぞれの役割を全うすることが求められています。  アメリカ合衆国大統領Barack Obama氏は先の就任演説で「今求められているのは責任の時代だ」と訴えました。また、Kennedy大統領はその就任演説の中で「国家が自分のために何をしてくれるのかではなく、自分が国家のために何ができるのかを問いなさい」と国民に訴えました。 現実に目を向けますと、私たちは今,厳格な成績評価を行い、かつ落伍者を出さない教育を 行うことが求められています。疾病構造の変化に対応した新たな歯科医療の展開が求められています。現実を直視し、理想に向うことが求められています。そのためには、慎重な議論の上に、大胆な改善が必要です。 こうした、状況の中で,私たち一人一人が今何を為すべきかを考え、大学のために行動してほしいと思います。  私たちは苦しさに耐え、変革を通して前に進む勇気を持っています。私たちは国民の健康に奉仕するために必要なことを提案し実施できる力を持っています。 変革を必要とする時代に私たちが生きていることを天啓として、その困難に立ち向かい、福岡歯科大学の未来、歯科医療の未来を、力を合わせて切り拓いて行きましょう。皆さんの力をぜひお貸しください。
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