歯科医師も世界に羽ばたいて活躍を

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2月25日、東京・港区赤坂のカナダ大使館で、カナダ・トロント大学歯学部の継続学習プログラム(CDEP)コース終了後、パネルディスカッションとそれに続くレセプションが行われた。

多くの歯科大学関係者と歯科関係業者が参加し親交を深めた。

パネルディスカッションは、カナダ・トロント大学歯学部の継続学習部CDEP日本事務所の代表澤田まゆみさんが司会を務め、昭和大学歯学部の宮崎歯学部長と開業医の山崎長郎さんが日本の歯科事情を話した。

また、トロント大学歯学部のDr.David Mock歯学部長とDr.Robert Carroll副学部長がカナダの歯科事情を紹介するとともに、トロント大学歯学部の継続学習の内容を説明した。

 

<昭和大学歯学部宮崎歯学部長の発言>

昭和大学歯学部では、トロント大学歯学部と一昨年、学部間の交流プログラムで協定を結んだ。

色々な意味で交流していこうとしている。

実は今日、来日されたトロント大学歯学部のDr.David Mock歯学部長とDr.Robert Carroll副学部長を昭和大学へお招きして日本の大学教育を紹介し、情報交換をさせていただいた。

トロント大学はご存知のとおり、世界の大学ランキングが色々ある中で、サンデータイムズ誌のランキングで20台くらい、昭和大学は300台くらに入っているわけであるが、トロント大学はレベルの高い大学だ。

(ランキングは英語の論文や理系が中心で、人文・社会科学系の力を十分反映していない。との声もある)

私は大学で歯科理工学を教えているが、インプラントはじめチタンなど各分野で、そうそうたる偉い方が活躍している。

アメリカの大学は研究に加え、お金、生産性を重んじているが、カナダの大学は全部国立の立場であり、ビジネスではなく、医療関係者を育てることに重きを置いているとうかがい感銘を受けた。

トロント大学では2年生から臨床教育をしている。

昭和大学では臨床実習用の患者ボットを開発し、それを使いシュミレーションの教育をしている。

日本の今の医師法、歯科医師法では学生が。生身の患者さんでの実習はできない。

そこには国民皆保険の問題もある。

また、患者さんの意識の問題もある。

このために、どこの大学も30年前のような臨床実習をやるような環境ではなくなってきた。

も一つ考えなければならないのは、日本のシステムでは6年制の専門教育の上に4年制の博士課程との2本立てになっている。

実際に臨床のことを考えると卒業後、補綴の専門医を目指したかったらそれを勉強する。

口腔外科の専門を目指すのなら4年、5年かかるので、それを専門に学ぶ。

そのように色々なスペシャリストを養成するような、もう少し融通性のある卒後研修のコースがあるといいと思う。

6年生の上に4年制があり、みんな画一的になっているため、専門性を作る上で障害となっている。

色々な会議で、文部科学省の方にも応用がきくようにしてほしい、とお願いはするが、難しい面がある。

そこで、日本の心ある若い先生方が、色々な形で自ら勉強しようということで、色々なものがある。

山崎長郎先生の素晴らしいスタディグループもり、勉強していく方いると思う。

あるいは、同窓会や歯科企業の主催する研修コースもあり、色々な勉強のやり方がある。

しかし、エビデンスに基づいたものをじっくりとやるような卒後教育を日本でもやっていかなければならない、と私たちも考えている。

昭和大学でも卒後教育の上の専門医を育てる教育に取り組んでいきたいが、正直なかなかそこまで取り組む余裕がない。

 そこできちんとした研究ベース基づいた、臨床でもきちんと結果が出ている1回、2回ではない継続学習を受けることは意義があることだ。

また、山﨑先生たちとともに、デジタルデンティストリーを日本の臨床にもっと普及させていこうと、CAD/CAMの学会を立ち上げた。

インプラント、補綴はじめかく分野の先生に参加していただいている。

これからはデジタルの社会になる。

一方、日本の先生には世界に羽ばたいて活躍することも期待されている。

そこで英語で討論できる語学力が日本の将来にとって問題になると思う。

インターネットでは世界の情報があふれており、国境がなくなっている。

リアルな情報や最新の情報を取り入れていくためにも、新たな教育の場で勉強していく必要がある。

多くの方が海外の大学と交流をして、語学の壁がなく勉強することが、これからの歯科の世界を明るくするものと思う。

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